「孫子の兵法」を企業経営に活かす方法

2016.01.14

(2016年1月14日メルマガより)


■昨日(1月13日)某所でセミナーの講師を務めました。


今年、最初のセミナーです。テーマは「孫子の兵法」。

「中小企業のための孫子の兵法ビジネス活用セミナー」というタイトルでした。

孫子ブームだった一昨年(2014年)は、数多くさせていただいたセミナーでしたが、今年の最初に同セミナーをさせていただいたのも、何かの縁を感じます。

私自身、楽しく行うことができましたし、受講された方の評価もよかったようです。

参考:「孫子の兵法」を学ぶ
http://www.createvalue.biz/column2/post-204.html

■「孫子」とは、今から2500年前に成立した中国の兵法書です。

古今東西の兵法書の中で、最も有名なものであり、現代でも多くの人に読まれています。

なにしろ2500年の時代を越えて読み継がれた書物です。その普遍的な有用性は、疑うべくもありません。

いや。疑ってもいいのですが、ぜひ一度、読んでみてください。この書物が、いまだに多くの人を魅了する意味がわかっていただけると思います

■孫子の特長としては、まずは、その徹底した合理性をあげることができます。

孫子は「軽々しく戦争をしてはいけない」と言っています。

兵法書なので、戦争の方法を教える書であると思われがちですが、それだけではないんですね。戦争に至る心構えも説いています。

ただし、戦争をしてはいけない理由は明確です。「戦争をすると経済的に損をするから」です。

では、経済的に得をするなら戦争してもよいのか?

孫子は、よい、と言っています。

この理想論を挟む余地のない身も蓋もない合理性こそが、孫子の大きな特徴であり、現代でも古びない理由であると思います。

■だから孫子は、戦争で勝つことを勧める書物ではありません。

孫子が目指すのは、国が生きながらえることです。

戦争で勝ったとしても疲弊してしまって国が亡びると元も子もありません。逆に負けても、生き延びることができればOKです。

「百戦百勝、善の善なるものに非ざるなり」です。

■私のコンサルティングを行う際の姿勢も、孫子の考え方と同じです。

第一義は、会社が生きながらえること。

短期的に売上を伸ばすことではありません。会社の業容を一気に拡大することではありません。

いまから、100年続く会社になる。そのための体制を作る。

そう考えてコンサルに臨んでいます。

■「孫子」は簡潔に書かれており、その意味は明確です。

ただし、我々が、それを活用するためには、そこに書かれている内容を、現代の企業経営に置き換えなければなりません。

その置き換え作業に、各個人の応用力や個性が表れます。

だから私の「孫子」の活用の方法も独特です。

おそらく、他の「孫子」の専門家とは全く違う内容で捉えているはずです。

■どのようにして、孫子を企業経営に活かすのか?

私は、次の3つをその中心としています。

(1)勝てる局面を捉える。

(2)強固な「城」を作る。

(3)組織(人材)を活かす。

■(1)勝てる局面とは、自社の強みが活きる場面のことです。

参考:世界トップ企業になるために最初にしなければならないこと
http://www.createvalue.biz/column2/post-370.html

どんな企業にも何らかの強みはあるはずです。

だとすれば、その強みが活きる場面でビジネスしなければなりません。

それは、地域かもしれません。業界かもしれません。顧客層かもしれません。タイミングかもしれません。

ここで勝てる!いまなら勝てる!そういう場面でビジネスすること。

それこそが、戦略方向性を固めるという意味です。

■(2)強固な「城」を作る、というのは孫子から得た独特の言い方です。

参考:「孫子」を活用するための最大のキーワード
http://www.createvalue.biz/column2/post-302.html

「城」とは堅牢な防御のこと。他社が攻撃しようとも思わないような固い守りの体勢を作るという意味です。

では何を「城」というのか、については様々な意見があります。

技術であったり、商品であったり、人材であったり。

要するにその会社の強みは何か、ということです。

ただし、本当に大切なのは、表面として現れる強みではなく、その強みが今後も維持されるための構造です。

たとえば「うちの強みは技術だ。この技術だけは守りたい」という会社があります。では、その会社の高い技術はどのような背景によって成り立っているのか

技術が人に起因するなら、その人材を育てるためにどのような活動をしているのか。

技術が特許に起因するなら、その特許を守り、活かすためのどのような活動をしているのか。

それこそが「城」だと考えます。

ちなみに私は、営業コンサルタントですから、「城」は、会社がいま持っている顧客基盤であると考えています。

だから、「城」の中身は、顧客基盤を維持するための「売る仕組み」です。

■(3)組織(人材)を活かす。

「人は石垣、人は城」といったのは、戦国時代の武将、武田信玄です。

戦略を作っても、仕組みを作っても、結局それを動かすのは人間です。

だから、人が活きる体制、仕掛け、施策がどうしても必要になります。

皆が納得する目標。皆が指針とすべき理念。そして、皆が心を寄せることができるストーリーが、その内容であると私は考えています。

参考:初めての著作は、なぜ「小説」になったのか?
http://www.createvalue.biz/column2/post-375.html

■要するに「孫子の兵法」から得たものは、そのまま私のコンサルティングの方針となっています。

(1)勝てる局面を捉える。

(2)強固な「城」を作る。

(3)組織(人材)を活かす。

この3つを突き詰めることが、私が今年目指すものです。

今年もよろしくお願いいたします。


(2016年1月14日メルマガより)


■昨日(1月13日)某所でセミナーの講師を務めました。


今年、最初のセミナーです。テーマは「孫子の兵法」。

「中小企業のための孫子の兵法ビジネス活用セミナー」というタイトルでした。

孫子ブームだった一昨年(2014年)は、数多くさせていただいたセミナーでしたが、今年の最初に同セミナーをさせていただいたのも、何かの縁を感じます。

私自身、楽しく行うことができましたし、受講された方の評価もよかったようです。

参考:「孫子の兵法」を学ぶ
http://www.createvalue.biz/column2/post-204.html

■「孫子」とは、今から2500年前に成立した中国の兵法書です。

古今東西の兵法書の中で、最も有名なものであり、現代でも多くの人に読まれています。

なにしろ2500年の時代を越えて読み継がれた書物です。その普遍的な有用性は、疑うべくもありません。

いや。疑ってもいいのですが、ぜひ一度、読んでみてください。この書物が、いまだに多くの人を魅了する意味がわかっていただけると思います

■孫子の特長としては、まずは、その徹底した合理性をあげることができます。

孫子は「軽々しく戦争をしてはいけない」と言っています。

兵法書なので、戦争の方法を教える書であると思われがちですが、それだけではないんですね。戦争に至る心構えも説いています。

ただし、戦争をしてはいけない理由は明確です。「戦争をすると経済的に損をするから」です。

では、経済的に得をするなら戦争してもよいのか?

孫子は、よい、と言っています。

この理想論を挟む余地のない身も蓋もない合理性こそが、孫子の大きな特徴であり、現代でも古びない理由であると思います。

■だから孫子は、戦争で勝つことを勧める書物ではありません。

孫子が目指すのは、国が生きながらえることです。

戦争で勝ったとしても疲弊してしまって国が亡びると元も子もありません。逆に負けても、生き延びることができればOKです。

「百戦百勝、善の善なるものに非ざるなり」です。

■私のコンサルティングを行う際の姿勢も、孫子の考え方と同じです。

第一義は、会社が生きながらえること。

短期的に売上を伸ばすことではありません。会社の業容を一気に拡大することではありません。

いまから、100年続く会社になる。そのための体制を作る。

そう考えてコンサルに臨んでいます。

■「孫子」は簡潔に書かれており、その意味は明確です。

ただし、我々が、それを活用するためには、そこに書かれている内容を、現代の企業経営に置き換えなければなりません。

その置き換え作業に、各個人の応用力や個性が表れます。

だから私の「孫子」の活用の方法も独特です。

おそらく、他の「孫子」の専門家とは全く違う内容で捉えているはずです。

■どのようにして、孫子を企業経営に活かすのか?

私は、次の3つをその中心としています。

(1)勝てる局面を捉える。

(2)強固な「城」を作る。

(3)組織(人材)を活かす。

■(1)勝てる局面とは、自社の強みが活きる場面のことです。

参考:世界トップ企業になるために最初にしなければならないこと
http://www.createvalue.biz/column2/post-370.html

どんな企業にも何らかの強みはあるはずです。

だとすれば、その強みが活きる場面でビジネスしなければなりません。

それは、地域かもしれません。業界かもしれません。顧客層かもしれません。タイミングかもしれません。

ここで勝てる!いまなら勝てる!そういう場面でビジネスすること。

それこそが、戦略方向性を固めるという意味です。

■(2)強固な「城」を作る、というのは孫子から得た独特の言い方です。

参考:「孫子」を活用するための最大のキーワード
http://www.createvalue.biz/column2/post-302.html

「城」とは堅牢な防御のこと。他社が攻撃しようとも思わないような固い守りの体勢を作るという意味です。

では何を「城」というのか、については様々な意見があります。

技術であったり、商品であったり、人材であったり。

要するにその会社の強みは何か、ということです。

ただし、本当に大切なのは、表面として現れる強みではなく、その強みが今後も維持されるための構造です。

たとえば「うちの強みは技術だ。この技術だけは守りたい」という会社があります。では、その会社の高い技術はどのような背景によって成り立っているのか

技術が人に起因するなら、その人材を育てるためにどのような活動をしているのか。

技術が特許に起因するなら、その特許を守り、活かすためのどのような活動をしているのか。

それこそが「城」だと考えます。

ちなみに私は、営業コンサルタントですから、「城」は、会社がいま持っている顧客基盤であると考えています。

だから、「城」の中身は、顧客基盤を維持するための「売る仕組み」です。

■(3)組織(人材)を活かす。

「人は石垣、人は城」といったのは、戦国時代の武将、武田信玄です。

戦略を作っても、仕組みを作っても、結局それを動かすのは人間です。

だから、人が活きる体制、仕掛け、施策がどうしても必要になります。

皆が納得する目標。皆が指針とすべき理念。そして、皆が心を寄せることができるストーリーが、その内容であると私は考えています。

参考:初めての著作は、なぜ「小説」になったのか?
http://www.createvalue.biz/column2/post-375.html

■要するに「孫子の兵法」から得たものは、そのまま私のコンサルティングの方針となっています。

(1)勝てる局面を捉える。

(2)強固な「城」を作る。

(3)組織(人材)を活かす。

この3つを突き詰めることが、私が今年目指すものです。

今年もよろしくお願いいたします。


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