ハンバーガー帝国興亡の行方は

2007.09.13


(2007年9月13日メルマガより)

■ハンバーガーチェーンのロッテリアが100円メニューを始めるそうです。

性懲りも無く...^^;

マクドナルドへの対抗措置だそうです。

■思えば、マクドナルドが価格競争を仕掛けたことがファストフード激動時
代の始まりでした。

デフレ下の時代。突如、低価格路線を突き進み始めたマクドナルドに追随し
たハンバーガーチェーンは、バタバタと倒れていきました。

価格競争のような体力勝負の消耗戦に持ち込まれた時、生き残るのは一番体
力のあるトップ企業のみです。

この消耗戦によってマクドナルド自身も傷を負いますが、結果として体力の
劣る3番手、4番手企業は致命的なダメージを負って市場から退場していき
ました。ほぼマクドナルドの目論見どおりになったということでしょう。

ロッテリアも、マクドナルドの消耗戦に巻き込まれて、大きく傷を負った企
業の1つです。ご存知のように、ファンドの支援によって再建しています。
(あるいは再建の途上です)

■マクドナルドは、いわば「肉を斬らせ骨を断つ」ように、下位企業をつぶ
していき、業界の掃除をしたわけです。その後に、自社は、悠々と品揃えを
増やして、利益を上げる措置をとりました。

まさに王者の戦い方です。

ハンバーガーチェーン業界での地位を磐石にした後は、外食産業全体への覇
権に向けて進もうとしているようです。

(外食市場全体が縮小傾向にあるのに比べてファストフードはまだ伸張して
います。これは、ファストフードが、外食の分野を侵食しているとみること
ができます。ファストフードの領土拡大戦は始まっているのです)

マックカフェ(大阪ではマクドカフェ)なる新業態の展開は、記憶に新しい
ですね。こちらは、伸びしろのあるカフェ市場にちょっかいをかけようとい
う動きです。スターバックスへの宣戦布告というわけです。

■マクドナルドの誘導作戦にはまってダメージを負った企業が多い中で、む
しろ存在感を示した企業もありました。

こちらは、ランチェスター戦略セミナーでいつも例に出す話題です。

そうですね。

業界2位のモスバーガーは、低価格路線には付き合わず、むしろ高級化を進
めることで、激動の時代を乗り切りました。

なんせ、100円でハンバーガーが買える時に、800円のハンバーガーを
売り出したのですから、たいした度胸です。

「皆が安いハンバーガーを求めているわけではない。高くても美味しく品質
重視のハンバーガーをほしがる人もいるはずだ」というコンセプトが支持さ
れて、ブランドを保つことができました。

これが弱者の基本戦略である差別化戦略の典型事例です。

■日本市場では一敗地にまみれ、退場を余儀なくされたバーガーキングも、
本国アメリカでは存在感を示していました。

参考:バーガーキング復活

こちらもモスバーガーと同じ方向性です。すなわち、トップ企業との差別化
を図ろうという考えです。

バーガーキングの場合、悪乗りと言われかねない販売キャンペーンを展開し
ています。

というのは「うちの商品は健康に悪いですよ!」と臆面も無く告知する売り
方です。

彼らの考え方は「そもそもハンバーガーに健康を求める人なんているだろう
か。どうせたまにしか食べないなら、健康度外視しても美味しいボリューム
のある商品を食べてもらおう!」というものです。

言われればその通りですね^^

アメリカでもトップ企業のマクドナルドが進める「健康キャンペーン」を嘲
笑うかのような「健康度外視キャンペーン」でシェアを上げていきました。

このやり方で業界トップを狙うことはできませんが、ある層(同社は30~
40代の男性と設定)の支持を得ることはできます。

バーガーキングは、モスバーガーよりも明確に差別化戦略を展開したという
ことができるでしょう。

■日本から撤退したバーガーキングは、その後、ブログを中心にカルト的な
人気を保ち続けていました。

「ワッパーってボリュームあったなあ」「美味しかったなあ」「米軍基地内
ではまだ買えるらしいよ」「おれこの間食べたよ」なんて話題がブログで綿
々と語られてきたわけです。

このブログというメディアが象徴的です。

流行が一気に広がるのがIT時代の特徴です。一番売れているものの情報は、
すぐに広がり、売れ行きを加速させます。

人間は「一番」が好きですから、迷ったら、とりあえず一番売れているもの
を選びます。だからIT時代には、一人勝ちがしばしば起こります。一番に
なることが生き残りの条件だと言っていいでしょう。

ところが、一方で人間には、マジョリティの裏側を好む性向もあります。一
番流行っているものの逆の要素を味わってみたくなるわけです。

これは、常識的な人がいて、ひねくれた人もいる、という単純な図式ではあ
りません。

一人の人間が、常識的な時もあれば、たまにはあまのじゃくな時もあるとい
うことです。当然、二面性を持っているのが普通なんですね。

ITには、そのマイノリティな欲求も表に出す機能があります。ブログとい
う個人情報発信メディアがその典型です。個人の密かな欲求が全世界に発信
されて、それに賛同する人たちが集まりやすくなるのです。

マジョリティもマイノリティも等しく表に出てしまうという状況が現代の特
徴だということでしょうか。

■「安いものはもう飽きた。食べ応えあるものがいい!」という欲求の高ま
りを受けて、バーガーキングが日本に再上陸したのは今年です。

もちろん、ブログでの人気だけで再上陸を決めたわけではなく、「ファスト
フードのグルメ化、主食化」という大きな流れを分析の上でのことだと思わ
れます。

まだ東京に数店舗ですが、爆発的な人気を博しています。

まさにマイノリティのパワーここにあり。という感じです。

■IT時代にマイノリティを軽視するわけにはいきません。

だから王者マクドナルドはすぐにミート(まね)しています。

メガマック(大阪ではメガマクド)の投入は、直接的にはバーガーキングの
インパクトを薄めるための措置です。

同時に、外食産業への殴りこみの意図も見えます。

■それにしてもマクドナルドの戦略は実直です。

○新勢力が出てきたらミートする。

○既存市場は成熟しているので周辺市場進出を伺う。

この2つを堅実にやっているわけで、この地道な姿勢がマクドナルドの強さ
につながっているわけです。

戦略の定石通りに「やるべきことを確実にやる」

これに勝る成功の秘訣はありません。それをやり抜くことがなかなか難しい
のが秘訣である所以です。

■以前、マクドナルドに「えびバーガー」をミートされたロッテリア。(え
びバーガーはもともとロッテリアの看板商品でした)

今回は、どういうわけかマクドナルドにミートする所存です。

「皆が高級ボリューム路線に行くなら、低価格路線もアリだ」というわけな
んでしょうか。

果たして勝算はあるんでしょうか?私ははなはだ疑問に思っていますが。


(2007年9月13日メルマガより)

■ハンバーガーチェーンのロッテリアが100円メニューを始めるそうです。

性懲りも無く...^^;

マクドナルドへの対抗措置だそうです。

■思えば、マクドナルドが価格競争を仕掛けたことがファストフード激動時
代の始まりでした。

デフレ下の時代。突如、低価格路線を突き進み始めたマクドナルドに追随し
たハンバーガーチェーンは、バタバタと倒れていきました。

価格競争のような体力勝負の消耗戦に持ち込まれた時、生き残るのは一番体
力のあるトップ企業のみです。

この消耗戦によってマクドナルド自身も傷を負いますが、結果として体力の
劣る3番手、4番手企業は致命的なダメージを負って市場から退場していき
ました。ほぼマクドナルドの目論見どおりになったということでしょう。

ロッテリアも、マクドナルドの消耗戦に巻き込まれて、大きく傷を負った企
業の1つです。ご存知のように、ファンドの支援によって再建しています。
(あるいは再建の途上です)

■マクドナルドは、いわば「肉を斬らせ骨を断つ」ように、下位企業をつぶ
していき、業界の掃除をしたわけです。その後に、自社は、悠々と品揃えを
増やして、利益を上げる措置をとりました。

まさに王者の戦い方です。

ハンバーガーチェーン業界での地位を磐石にした後は、外食産業全体への覇
権に向けて進もうとしているようです。

(外食市場全体が縮小傾向にあるのに比べてファストフードはまだ伸張して
います。これは、ファストフードが、外食の分野を侵食しているとみること
ができます。ファストフードの領土拡大戦は始まっているのです)

マックカフェ(大阪ではマクドカフェ)なる新業態の展開は、記憶に新しい
ですね。こちらは、伸びしろのあるカフェ市場にちょっかいをかけようとい
う動きです。スターバックスへの宣戦布告というわけです。

■マクドナルドの誘導作戦にはまってダメージを負った企業が多い中で、む
しろ存在感を示した企業もありました。

こちらは、ランチェスター戦略セミナーでいつも例に出す話題です。

そうですね。

業界2位のモスバーガーは、低価格路線には付き合わず、むしろ高級化を進
めることで、激動の時代を乗り切りました。

なんせ、100円でハンバーガーが買える時に、800円のハンバーガーを
売り出したのですから、たいした度胸です。

「皆が安いハンバーガーを求めているわけではない。高くても美味しく品質
重視のハンバーガーをほしがる人もいるはずだ」というコンセプトが支持さ
れて、ブランドを保つことができました。

これが弱者の基本戦略である差別化戦略の典型事例です。

■日本市場では一敗地にまみれ、退場を余儀なくされたバーガーキングも、
本国アメリカでは存在感を示していました。

参考:バーガーキング復活

こちらもモスバーガーと同じ方向性です。すなわち、トップ企業との差別化
を図ろうという考えです。

バーガーキングの場合、悪乗りと言われかねない販売キャンペーンを展開し
ています。

というのは「うちの商品は健康に悪いですよ!」と臆面も無く告知する売り
方です。

彼らの考え方は「そもそもハンバーガーに健康を求める人なんているだろう
か。どうせたまにしか食べないなら、健康度外視しても美味しいボリューム
のある商品を食べてもらおう!」というものです。

言われればその通りですね^^

アメリカでもトップ企業のマクドナルドが進める「健康キャンペーン」を嘲
笑うかのような「健康度外視キャンペーン」でシェアを上げていきました。

このやり方で業界トップを狙うことはできませんが、ある層(同社は30~
40代の男性と設定)の支持を得ることはできます。

バーガーキングは、モスバーガーよりも明確に差別化戦略を展開したという
ことができるでしょう。

■日本から撤退したバーガーキングは、その後、ブログを中心にカルト的な
人気を保ち続けていました。

「ワッパーってボリュームあったなあ」「美味しかったなあ」「米軍基地内
ではまだ買えるらしいよ」「おれこの間食べたよ」なんて話題がブログで綿
々と語られてきたわけです。

このブログというメディアが象徴的です。

流行が一気に広がるのがIT時代の特徴です。一番売れているものの情報は、
すぐに広がり、売れ行きを加速させます。

人間は「一番」が好きですから、迷ったら、とりあえず一番売れているもの
を選びます。だからIT時代には、一人勝ちがしばしば起こります。一番に
なることが生き残りの条件だと言っていいでしょう。

ところが、一方で人間には、マジョリティの裏側を好む性向もあります。一
番流行っているものの逆の要素を味わってみたくなるわけです。

これは、常識的な人がいて、ひねくれた人もいる、という単純な図式ではあ
りません。

一人の人間が、常識的な時もあれば、たまにはあまのじゃくな時もあるとい
うことです。当然、二面性を持っているのが普通なんですね。

ITには、そのマイノリティな欲求も表に出す機能があります。ブログとい
う個人情報発信メディアがその典型です。個人の密かな欲求が全世界に発信
されて、それに賛同する人たちが集まりやすくなるのです。

マジョリティもマイノリティも等しく表に出てしまうという状況が現代の特
徴だということでしょうか。

■「安いものはもう飽きた。食べ応えあるものがいい!」という欲求の高ま
りを受けて、バーガーキングが日本に再上陸したのは今年です。

もちろん、ブログでの人気だけで再上陸を決めたわけではなく、「ファスト
フードのグルメ化、主食化」という大きな流れを分析の上でのことだと思わ
れます。

まだ東京に数店舗ですが、爆発的な人気を博しています。

まさにマイノリティのパワーここにあり。という感じです。

■IT時代にマイノリティを軽視するわけにはいきません。

だから王者マクドナルドはすぐにミート(まね)しています。

メガマック(大阪ではメガマクド)の投入は、直接的にはバーガーキングの
インパクトを薄めるための措置です。

同時に、外食産業への殴りこみの意図も見えます。

■それにしてもマクドナルドの戦略は実直です。

○新勢力が出てきたらミートする。

○既存市場は成熟しているので周辺市場進出を伺う。

この2つを堅実にやっているわけで、この地道な姿勢がマクドナルドの強さ
につながっているわけです。

戦略の定石通りに「やるべきことを確実にやる」

これに勝る成功の秘訣はありません。それをやり抜くことがなかなか難しい
のが秘訣である所以です。

■以前、マクドナルドに「えびバーガー」をミートされたロッテリア。(え
びバーガーはもともとロッテリアの看板商品でした)

今回は、どういうわけかマクドナルドにミートする所存です。

「皆が高級ボリューム路線に行くなら、低価格路線もアリだ」というわけな
んでしょうか。

果たして勝算はあるんでしょうか?私ははなはだ疑問に思っていますが。

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