SMPを意識する

2006.05.25


(2006年5月25日メルマガより)

■今回も営業の話の続きです。

どうも最近、ベテランといわれる営業マンの元気がないですね。

「昔の成功体験を語る営業部長は引退せよ!」なんて挑発的なことをセミナ
ーで言っても、うなだれているか、自分のことじゃないように知らん顔を決
め込んでいるだけ。

ほんの3年ほど前までは、カラ元気がありました。

研修時には最後列に陣取ってふんぞり返り、「そんなもんで売れるのかー!」
なんてヤジをとばしたりしていましたから。

私などは、そんな旧世代の権化のような方との"闘い"をモチベーションと
してきたところがありますから、今の牙を抜かれたような姿は、正直いって
寂しいです。


■彼らがよく言うのが「営業が分からなくなった」という言葉です。

つまり、何が原因で売れないのか、あるいはなぜ突然売れるのかが分からな
い。。。と。

昔、野球選手の江夏豊が「長嶋さんを相手にしてると、絶対の自信がある投
球を完璧にホームランされたかと思えば、適当に放った球で三振がとれたり
する。わけが分からん」と呆れていましたが、あれと似たような感じでしょ
うか^^(余談)


■まあ、わからなくて当然でしょう。それまで、理に適った営業活動をして
こなかったツケが今に回ってきているわけです。


■前回も言ったように、多くの企業は「営業」というものをブラックボック
ス化してきました。

これは、ある企業では営業の神格化となり、別の企業では営業の蔑視につな
がっています。

どちらも根は同じなんですね。


■営業に理解のある会社でも、営業マンという人材にエネルギーを補給すべ
く、"モチベーション管理"を行っているぐらい。

あとは、現場で何とかやってくれという具合。

あれだけ、生産部門では工程を分析し、極限まで生産性を高めてきた日本企
業が、こと営業に関しては、ほとんど中身を検証しようとはしてこなかった
のです。


■これからはそうはいきません。技術や生産力で競争に勝てる企業ばかりで
はなくなりましたから。むしろ、営業力を頼みにしなければ生き残っていけ
ない企業が増えています。


■営業力を上げるためには、どうすればいいのか。

1つは、営業という仕事を工程分解し、それぞれの要素を細かに解析してい
くことです。

例えば、ある企業では、見込み客をリストアップし、そこにアプローチし、
プレゼンを行い、クロージングに持ち込み、さらにアフターフォローすると
いう営業活動を行っているとします。

企業ごとにその要素を見ていくと、何がその段階での成功要因かが見えてき
ます。それを数値として指標化するわけです。

営業コンサルティングの成功の鍵もこの"数値化"が、その企業にとって適
切かどうかにかかっていると言えます。


■もっとも、これだけでは不十分です。

専門的な話になりますが、今のは、営業マンという駒をいかに戦力アップす
るかという"資源アプローチ"の考え方です。

顧客という変化しやすいものに対している営業は、効率を追求して反復する
だけでは、役目を果たすことはできません。

変化に対応するための"戦略プロセス"の視点を持つ必要があります。

それが、SMPであると私は主張しています。


■前回も言いましたが、SMPとは

Strategy(戦略)

Management(管理)

Practice(実践)

のこと。

最低限、この3つの視点を持つことが、行き当たりばったりの営業活動から
脱却するきっかけになります。


■先ほど、営業活動のパターンとして、リストアップ、アプローチ、プレゼ
ンテーション、クロージング、アフターフォロー(LAPCA)をあげまし
た。

これらを効率化し、洗練していけば、平均的な生産性は上がっていきます。

ただし、この要素の中で最も重要なのは、リストアップの段階です。見込み
客の精度が高ければ高いほど、その後の活動の効率が上がるからです。

ところが、このリストアップは、決められたことを正確にこなすだけではな
い能力を求められます。

顧客は変化していくものですから、去年と同じ通りにリストを作っていたの
では、実績は落ち込んでいきます。

要するに、このリストアップという作業はダイナミックなもので、昆虫のよ
うに繰り返しているばかりでは通用しないということです。

ここで、必要なのが、Strategy(戦略)の視点です。

事業の目標は何か?

標的とする顧客は今のままでいいのか?

その中でも、どの顧客を選ぶか?

その顧客に対してどういう位置取りをするのか?

こういうことを常にピントあわせしていなければ、まともなリストアップな
どできようはずがありません。


■このように、行動のパターンを洗練させて能力を磨いていくと同時に、プ
ロセスとしての戦略を意識することが、成功確率を相当高めていきます。

ランチェスター戦略では、「小さな市場を選べ」「その中で差別化せよ」
「一度決めたら、一点集中せよ」「ナンバーワンになるまで取り組め」と教
えていますが、これは企業が持つ限られた資源をどのように配分するかを示
すものです。これはまさに戦略プロセスに関するセオリーの一つです。


■中小企業は限られた経営資源をなんとかやりくりして戦っていかなければ
なりません。

だから、"経営資源"を中心とした考え方となります。

当たり前ですね。資源としてありえない戦略をたてても意味ありませんから。

ただし、それが弱さにもなっています。変化が激しい時代においては特に、
"戦略プロセス"が重要となります。

戦略を知っている、知っていないとでは、成果に雲泥の差があること理解し
てください。


■"資源"という横串と"プロセス"という縦串の双方を融合させることが
必要である。それが今回の私の主張です。


■さて、Management(管理)のレイヤーでは、「営業システムの
維持」「目標管理」「営業生産性の向上」などが課題となります。

また、Practice(実践)では、「モチベーション管理」「行動管理」
「営業交渉術」「訓練法」などが課題です。

これらSMPのバランスを忘れずに取り組むことで、モレやダブりがなくな
っていき、営業力はアップしていきます。


■それぞれを解説したいところですが、長くなるので、また別の機会へ回し
たいと思います。


(2006年5月25日メルマガより)

■今回も営業の話の続きです。

どうも最近、ベテランといわれる営業マンの元気がないですね。

「昔の成功体験を語る営業部長は引退せよ!」なんて挑発的なことをセミナ
ーで言っても、うなだれているか、自分のことじゃないように知らん顔を決
め込んでいるだけ。

ほんの3年ほど前までは、カラ元気がありました。

研修時には最後列に陣取ってふんぞり返り、「そんなもんで売れるのかー!」
なんてヤジをとばしたりしていましたから。

私などは、そんな旧世代の権化のような方との"闘い"をモチベーションと
してきたところがありますから、今の牙を抜かれたような姿は、正直いって
寂しいです。


■彼らがよく言うのが「営業が分からなくなった」という言葉です。

つまり、何が原因で売れないのか、あるいはなぜ突然売れるのかが分からな
い。。。と。

昔、野球選手の江夏豊が「長嶋さんを相手にしてると、絶対の自信がある投
球を完璧にホームランされたかと思えば、適当に放った球で三振がとれたり
する。わけが分からん」と呆れていましたが、あれと似たような感じでしょ
うか^^(余談)


■まあ、わからなくて当然でしょう。それまで、理に適った営業活動をして
こなかったツケが今に回ってきているわけです。


■前回も言ったように、多くの企業は「営業」というものをブラックボック
ス化してきました。

これは、ある企業では営業の神格化となり、別の企業では営業の蔑視につな
がっています。

どちらも根は同じなんですね。


■営業に理解のある会社でも、営業マンという人材にエネルギーを補給すべ
く、"モチベーション管理"を行っているぐらい。

あとは、現場で何とかやってくれという具合。

あれだけ、生産部門では工程を分析し、極限まで生産性を高めてきた日本企
業が、こと営業に関しては、ほとんど中身を検証しようとはしてこなかった
のです。


■これからはそうはいきません。技術や生産力で競争に勝てる企業ばかりで
はなくなりましたから。むしろ、営業力を頼みにしなければ生き残っていけ
ない企業が増えています。


■営業力を上げるためには、どうすればいいのか。

1つは、営業という仕事を工程分解し、それぞれの要素を細かに解析してい
くことです。

例えば、ある企業では、見込み客をリストアップし、そこにアプローチし、
プレゼンを行い、クロージングに持ち込み、さらにアフターフォローすると
いう営業活動を行っているとします。

企業ごとにその要素を見ていくと、何がその段階での成功要因かが見えてき
ます。それを数値として指標化するわけです。

営業コンサルティングの成功の鍵もこの"数値化"が、その企業にとって適
切かどうかにかかっていると言えます。


■もっとも、これだけでは不十分です。

専門的な話になりますが、今のは、営業マンという駒をいかに戦力アップす
るかという"資源アプローチ"の考え方です。

顧客という変化しやすいものに対している営業は、効率を追求して反復する
だけでは、役目を果たすことはできません。

変化に対応するための"戦略プロセス"の視点を持つ必要があります。

それが、SMPであると私は主張しています。


■前回も言いましたが、SMPとは

Strategy(戦略)

Management(管理)

Practice(実践)

のこと。

最低限、この3つの視点を持つことが、行き当たりばったりの営業活動から
脱却するきっかけになります。


■先ほど、営業活動のパターンとして、リストアップ、アプローチ、プレゼ
ンテーション、クロージング、アフターフォロー(LAPCA)をあげまし
た。

これらを効率化し、洗練していけば、平均的な生産性は上がっていきます。

ただし、この要素の中で最も重要なのは、リストアップの段階です。見込み
客の精度が高ければ高いほど、その後の活動の効率が上がるからです。

ところが、このリストアップは、決められたことを正確にこなすだけではな
い能力を求められます。

顧客は変化していくものですから、去年と同じ通りにリストを作っていたの
では、実績は落ち込んでいきます。

要するに、このリストアップという作業はダイナミックなもので、昆虫のよ
うに繰り返しているばかりでは通用しないということです。

ここで、必要なのが、Strategy(戦略)の視点です。

事業の目標は何か?

標的とする顧客は今のままでいいのか?

その中でも、どの顧客を選ぶか?

その顧客に対してどういう位置取りをするのか?

こういうことを常にピントあわせしていなければ、まともなリストアップな
どできようはずがありません。


■このように、行動のパターンを洗練させて能力を磨いていくと同時に、プ
ロセスとしての戦略を意識することが、成功確率を相当高めていきます。

ランチェスター戦略では、「小さな市場を選べ」「その中で差別化せよ」
「一度決めたら、一点集中せよ」「ナンバーワンになるまで取り組め」と教
えていますが、これは企業が持つ限られた資源をどのように配分するかを示
すものです。これはまさに戦略プロセスに関するセオリーの一つです。


■中小企業は限られた経営資源をなんとかやりくりして戦っていかなければ
なりません。

だから、"経営資源"を中心とした考え方となります。

当たり前ですね。資源としてありえない戦略をたてても意味ありませんから。

ただし、それが弱さにもなっています。変化が激しい時代においては特に、
"戦略プロセス"が重要となります。

戦略を知っている、知っていないとでは、成果に雲泥の差があること理解し
てください。


■"資源"という横串と"プロセス"という縦串の双方を融合させることが
必要である。それが今回の私の主張です。


■さて、Management(管理)のレイヤーでは、「営業システムの
維持」「目標管理」「営業生産性の向上」などが課題となります。

また、Practice(実践)では、「モチベーション管理」「行動管理」
「営業交渉術」「訓練法」などが課題です。

これらSMPのバランスを忘れずに取り組むことで、モレやダブりがなくな
っていき、営業力はアップしていきます。


■それぞれを解説したいところですが、長くなるので、また別の機会へ回し
たいと思います。

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代表者・駒井俊雄が発行するメルマガ「営業は売り子じゃない!」
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