顧客を創造するということ

2012.06.28

(2012年6月28日メルマガより)


■戦略を作ろうとする者は、ある意味「空気が読めない」
ことが重要です。

その方が、ゼロベースで発想することができます。

会社や業界の常識に精通し「これは言っても無駄だ」「この分野は頭打ちだ」
などと、暗黙の空気を読んでばかりいれば、現状の後追いのような施策しか
発想することができません。

その意味では、業界に精通したコンサルタントというのも善し悪しですね。

業界に精通した者が得意とするのは、戦術づくりです。今のやり方をよりよ
くするための引き出しをたくさん持っていることが価値です。

ただし、その経験や知識は戦略づくりには活かすことができません。むしろ、
邪魔になります。

■戦略とは、現状を否定してでも、より目的に近づくための方法です。

ですから、戦略づくりに携わる者は、現状の延長ではなく、全く新たな視点
からものごとを捉えることが求められます。

そこに必要なのは業界に関する知識やノウハウではなく、ものごとを捉える
ための確固たる視点であり、発想の体系です。

優秀なコンサルタントは、業界に精通しているいないに関わらず、ものごと
の全体像を多様な方面から捉えるスキルを持った人だと、私は考えます。

■ものごとの全体像を捉えることは、戦略的思考の重要な機能の一つです。

全体像を捉えるためには、そのものごとから一旦離れた位置に立つ必要があ
ります。

それが、私の場合、原理原則や原点といわれる抽象化された位置です。

■たとえばピーター・ドラッカーは「事業の目的は、顧客の創造である」と
極めて原点思考的な文章を残しています。

有名な文章ですが、この内容を実践しようと意識している企業人はどれほど
いるのでしょうか。

あるいはマーケティング学者のセオドア・レビットは「1/4インチのドリル
を買った顧客は、1/4インチの穴を買ったのである」と、示唆に富んだ指摘
をしています。

こちらも有名な言葉ですが、その意味を活用しようとする企業人は少ないの
かも知れません。

ただし、こうした原点から自らの事業を問い直すことのできる企業は、発展
する可能性が大いに高い、と考えます。

■セオドア・レビットが、上記の言葉とともに挙げているのが、アメリカの
鉄道事業の事例です。

ご存知の通り、アメリカは車社会であり、ハイウェイも発達していることか
ら、鉄道そのものは、それほど隆盛ではありません。

今となっては当然の状況のように思えますが、セオドア・レビットは、それ
は鉄道会社の戦略ミスだと言います。

かつてはアメリカも鉄道が主要交通手段である時代がありました。

ところが車が発達するにつれて顧客が減少しても、鉄道会社は「うちは鉄道
会社だから、車のことは関係ない。今の顧客を大切にしよう」と自社ユーザ
ーへのサービスにばかり気をとられました。

当然のことながら、一般人にとって鉄道に乗る目的は移動することです。一
部のマニアを除き、鉄道に乗りたくて乗っているわけではありません。彼が
「顧客は、ドリルを買うのではない。穴を買うのだ」と言った理由がここに
あります。

顧客は、鉄道に乗らなくても、車、飛行機、バスといった移動手段を選ぶこ
とができます。あるいは電話やその他通信手段を使えば移動そのものがなく
なるかも知れません。

競争相手は多岐に渡るのに、鉄道会社はその脅威に目をつぶっていました。
これでは、衰退しても仕方がありません。

さすがに日本の鉄道会社はその愚を犯しませんでした。

日本の鉄道会社は、不動産会社のように鉄道沿線の開発を手がけ、鉄道に乗
る方が便利だという顧客を大量に生み出しました。まさに「顧客の創造」です。

おかげで日本は車社会でありながら鉄道も発達した社会となっています。

■「顧客を創造する」というと荒唐無稽に聞こえるかも知れません。なにし
ろ多くの会社は、今ある需要をどのように捉えるかに汲々となっていますから。

しかし繰り返しますが「顧客を創造する」という原点に立ち返る企業は、発
展する可能性が高い。逆にいうと、この成熟市場である日本において、成長
するためには、顧客創造に向き合わなければならないのです。

■2007年頃、スティールパートナーズという外資系ファンドが、日本の株式
市場を騒がせた事件がありました。

このファンドは、サッポロホールディングスや明星食品などに敵対的買収を
仕掛けて、恐らくは、示談金を引き出そうとしたいわゆるグリーンメーラー
です。

その標的の一つとなったのが、ブルドックソースという会社です。
http://www.bulldog.co.jp/

買収騒ぎについては裁判の末に、スティールパートナーズ側が「濫用的買収
者」と認定されてしまい、買収は成立しませんでした。

この判決が日本の株式市場に与えた影響は小さくなかったのですが、それは
ここではとりあげません。

ここで言いたいのは、スティールパートナーズの行状の是非はともかく、買
収の標的となる企業は、健全な経営をしていないと判断されたところである
ということです。

■ブルドックソースは、ソース市場における日本トップの企業です。

ところがこの会社、大前研一氏によって20年前に「日本で一番退屈な会社」
だと酷評されたことがあるそうです。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/96/index1.html

要するに、成長しようという意欲が弱く、トップの位置に満足して、潤沢な
資金を投資にまわすことなく、無駄に滞留させている会社だということです。

確かにそういう会社は、濫用的買収者の標的になりやすい。

webサイトを見る限り、今でものんびりしているように思えますね^^;

■ソース業界の市場シェアを見ると(2006年度)
http://taizo3.net/sauce/2010/12/post-4.php

ブルドックソース(27.4%)
オタフクソース(20.5%)
カゴメ(15.3%)
コーミ(3.6%)
キッコーマン(3.3%)
オリバーソース(2.4%)
高橋ソース(2.3%)
その他(25.2%)

だそうです。古いデータですみません...

どうやらソース業界は、技術革新も少なく、あまり波風の立たないところら
しい。

唯一の成長機会が、用途の多様化です。
http://industry.fideli.com/industry/m/industry4_19_1.html

昔は、ウスターソース、とんかつソースなど数種類しかなかったのに、今は、
パスタソースや、中華ソース、ステーキソースなどが出てきています。

トップ企業のブルドックソースは、当然、これらクッキングソースを扱って
いますが、果たして市場を拡大しようという意欲があるのかどうか...

■これに対して、広島にオタフクソースという会社があります。
http://www.otafuku.co.jp/

こちらは業界2位。チャレンジャーらしい強い意欲と戦略性を感じる会社です。

オタフクソースの戦略は明確です。

彼らはドリルを売るよりも穴を売ろうとしています。

つまり、ソースに販促をかけて売ろうとするよりも、ソースを使う機会を増
やそうとしています。

具体的にいうと、広島風お好み焼きを世の中に広めることが、オタフクソー
スの需要を増やすことだと考え、その一点に集中する戦略です。

webサイトを見ると、個人向けには「お好み焼きレシピ」「お好み焼き教室」
を開催し、事業主向けには「お好み焼き提案会」「お好み焼き店開業研修」
を開催しています。

一般家庭のメニューに広島風お好み焼きが並ぶように仕向け、全国に広島風
お好み焼き店を増やそうという試みです。

この戦略が功を奏して、お好み焼きソースというジャンルでは、トップ企業
となっています。

(かつては広島風を前面に出していたようですが、トップ企業である現在は、
お好み焼き全般を押し出しています)

お好み焼きソースという分野に集中するという弱者の戦略をとったオタフ
クソースに対して、ブルドックソースがとった戦略は何か?

これがよく分からない...

webサイトを見ると、もんじゃ焼きという分野に活路を見出しているように
見えますが、これもオタフクソースのように「もんじゃ焼きを全国区にする
ぞーー」という迫力がありません。単に、もんじゃ焼きの紹介ページになっ
ていて、自社製品の販促の一環であるように思えます。

いろいろやっているように思いますが、ありていに言うと、現在の商売をず
っと延長していこうというようにしか見えません。

内情は知りませんが、端から見る限り、戦略的であるとはいえません。。。

■最初の話に戻りますが、戦略は、現状の延長ではありません。

概して、現場の営業に強い企業は、戦略づくりにまともに取り組まず、現場
の実践力でやり過ごしてしまう傾向にあるようです。

それは、成長する方法ではなく、延命という手法です。死ぬ時期を少し先延
ばししたに過ぎません。

企業が10年後、30年後、50年後も生きていくためには、ゼロベースで
戦略を組みなおす必要があります。

仮に、戦略づくりの結果が、現状の延長のようになったとしても、それはそ
れで構いません。ゼロから戦略づくりに取り組んだ結果だからです。

そのプロセスを経ずに、安易に現場の力に頼ることが、結局は、死ぬ時期を
早めてしまうことになるのです。

ブルドックソースが、戦略立案に取り組んだ末に、今のような施策をとって
いるのだとしたら、スミマセンm(_ _)m

ただ、webサイトを見ていても、そんな気配がないんですよね。。。

ここは、やはりソース市場を堅持すべく、強者の戦略で、主要分野のてこ入
れを図るべきです。

もんじゃ焼きシリーズが売上好調だと喜んでいる場合ではないですよ。

■ところが、オタフクソース側も、お好み焼き市場のトップに満足したのか、
「酢」市場への進出を狙っているようです。

ソースの市場規模1000億円程度に比べて、食酢の市場規模は約550億円。
http://industry.fideli.com/industry/m/industry4_20_1.html
(いずれも古いデータです。すみません...)

ただし、コモディティ化が進むソース市場に比べて、成長余地があると見ら
れます。

もっとも、食酢業界には、シェア40%を誇るミツカン酢がいますので、簡
単な市場ではありません。

ソース市場の制覇も道半ばなのに、新たな分野に進出するということには、
大いに疑問を感じます。

それほどソース市場は、魅力がないのか?

あるいは、陽動作戦の一種なのか?

ともあれ、オタフクソースが、食酢市場で、どのような弱者の戦略をとろう
としているのか、注目したいと思います。

(2012年6月28日メルマガより)


■戦略を作ろうとする者は、ある意味「空気が読めない」
ことが重要です。

その方が、ゼロベースで発想することができます。

会社や業界の常識に精通し「これは言っても無駄だ」「この分野は頭打ちだ」
などと、暗黙の空気を読んでばかりいれば、現状の後追いのような施策しか
発想することができません。

その意味では、業界に精通したコンサルタントというのも善し悪しですね。

業界に精通した者が得意とするのは、戦術づくりです。今のやり方をよりよ
くするための引き出しをたくさん持っていることが価値です。

ただし、その経験や知識は戦略づくりには活かすことができません。むしろ、
邪魔になります。

■戦略とは、現状を否定してでも、より目的に近づくための方法です。

ですから、戦略づくりに携わる者は、現状の延長ではなく、全く新たな視点
からものごとを捉えることが求められます。

そこに必要なのは業界に関する知識やノウハウではなく、ものごとを捉える
ための確固たる視点であり、発想の体系です。

優秀なコンサルタントは、業界に精通しているいないに関わらず、ものごと
の全体像を多様な方面から捉えるスキルを持った人だと、私は考えます。

■ものごとの全体像を捉えることは、戦略的思考の重要な機能の一つです。

全体像を捉えるためには、そのものごとから一旦離れた位置に立つ必要があ
ります。

それが、私の場合、原理原則や原点といわれる抽象化された位置です。

■たとえばピーター・ドラッカーは「事業の目的は、顧客の創造である」と
極めて原点思考的な文章を残しています。

有名な文章ですが、この内容を実践しようと意識している企業人はどれほど
いるのでしょうか。

あるいはマーケティング学者のセオドア・レビットは「1/4インチのドリル
を買った顧客は、1/4インチの穴を買ったのである」と、示唆に富んだ指摘
をしています。

こちらも有名な言葉ですが、その意味を活用しようとする企業人は少ないの
かも知れません。

ただし、こうした原点から自らの事業を問い直すことのできる企業は、発展
する可能性が大いに高い、と考えます。

■セオドア・レビットが、上記の言葉とともに挙げているのが、アメリカの
鉄道事業の事例です。

ご存知の通り、アメリカは車社会であり、ハイウェイも発達していることか
ら、鉄道そのものは、それほど隆盛ではありません。

今となっては当然の状況のように思えますが、セオドア・レビットは、それ
は鉄道会社の戦略ミスだと言います。

かつてはアメリカも鉄道が主要交通手段である時代がありました。

ところが車が発達するにつれて顧客が減少しても、鉄道会社は「うちは鉄道
会社だから、車のことは関係ない。今の顧客を大切にしよう」と自社ユーザ
ーへのサービスにばかり気をとられました。

当然のことながら、一般人にとって鉄道に乗る目的は移動することです。一
部のマニアを除き、鉄道に乗りたくて乗っているわけではありません。彼が
「顧客は、ドリルを買うのではない。穴を買うのだ」と言った理由がここに
あります。

顧客は、鉄道に乗らなくても、車、飛行機、バスといった移動手段を選ぶこ
とができます。あるいは電話やその他通信手段を使えば移動そのものがなく
なるかも知れません。

競争相手は多岐に渡るのに、鉄道会社はその脅威に目をつぶっていました。
これでは、衰退しても仕方がありません。

さすがに日本の鉄道会社はその愚を犯しませんでした。

日本の鉄道会社は、不動産会社のように鉄道沿線の開発を手がけ、鉄道に乗
る方が便利だという顧客を大量に生み出しました。まさに「顧客の創造」です。

おかげで日本は車社会でありながら鉄道も発達した社会となっています。

■「顧客を創造する」というと荒唐無稽に聞こえるかも知れません。なにし
ろ多くの会社は、今ある需要をどのように捉えるかに汲々となっていますから。

しかし繰り返しますが「顧客を創造する」という原点に立ち返る企業は、発
展する可能性が高い。逆にいうと、この成熟市場である日本において、成長
するためには、顧客創造に向き合わなければならないのです。

■2007年頃、スティールパートナーズという外資系ファンドが、日本の株式
市場を騒がせた事件がありました。

このファンドは、サッポロホールディングスや明星食品などに敵対的買収を
仕掛けて、恐らくは、示談金を引き出そうとしたいわゆるグリーンメーラー
です。

その標的の一つとなったのが、ブルドックソースという会社です。
http://www.bulldog.co.jp/

買収騒ぎについては裁判の末に、スティールパートナーズ側が「濫用的買収
者」と認定されてしまい、買収は成立しませんでした。

この判決が日本の株式市場に与えた影響は小さくなかったのですが、それは
ここではとりあげません。

ここで言いたいのは、スティールパートナーズの行状の是非はともかく、買
収の標的となる企業は、健全な経営をしていないと判断されたところである
ということです。

■ブルドックソースは、ソース市場における日本トップの企業です。

ところがこの会社、大前研一氏によって20年前に「日本で一番退屈な会社」
だと酷評されたことがあるそうです。
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/96/index1.html

要するに、成長しようという意欲が弱く、トップの位置に満足して、潤沢な
資金を投資にまわすことなく、無駄に滞留させている会社だということです。

確かにそういう会社は、濫用的買収者の標的になりやすい。

webサイトを見る限り、今でものんびりしているように思えますね^^;

■ソース業界の市場シェアを見ると(2006年度)
http://taizo3.net/sauce/2010/12/post-4.php

ブルドックソース(27.4%)
オタフクソース(20.5%)
カゴメ(15.3%)
コーミ(3.6%)
キッコーマン(3.3%)
オリバーソース(2.4%)
高橋ソース(2.3%)
その他(25.2%)

だそうです。古いデータですみません...

どうやらソース業界は、技術革新も少なく、あまり波風の立たないところら
しい。

唯一の成長機会が、用途の多様化です。
http://industry.fideli.com/industry/m/industry4_19_1.html

昔は、ウスターソース、とんかつソースなど数種類しかなかったのに、今は、
パスタソースや、中華ソース、ステーキソースなどが出てきています。

トップ企業のブルドックソースは、当然、これらクッキングソースを扱って
いますが、果たして市場を拡大しようという意欲があるのかどうか...

■これに対して、広島にオタフクソースという会社があります。
http://www.otafuku.co.jp/

こちらは業界2位。チャレンジャーらしい強い意欲と戦略性を感じる会社です。

オタフクソースの戦略は明確です。

彼らはドリルを売るよりも穴を売ろうとしています。

つまり、ソースに販促をかけて売ろうとするよりも、ソースを使う機会を増
やそうとしています。

具体的にいうと、広島風お好み焼きを世の中に広めることが、オタフクソー
スの需要を増やすことだと考え、その一点に集中する戦略です。

webサイトを見ると、個人向けには「お好み焼きレシピ」「お好み焼き教室」
を開催し、事業主向けには「お好み焼き提案会」「お好み焼き店開業研修」
を開催しています。

一般家庭のメニューに広島風お好み焼きが並ぶように仕向け、全国に広島風
お好み焼き店を増やそうという試みです。

この戦略が功を奏して、お好み焼きソースというジャンルでは、トップ企業
となっています。

(かつては広島風を前面に出していたようですが、トップ企業である現在は、
お好み焼き全般を押し出しています)

お好み焼きソースという分野に集中するという弱者の戦略をとったオタフ
クソースに対して、ブルドックソースがとった戦略は何か?

これがよく分からない...

webサイトを見ると、もんじゃ焼きという分野に活路を見出しているように
見えますが、これもオタフクソースのように「もんじゃ焼きを全国区にする
ぞーー」という迫力がありません。単に、もんじゃ焼きの紹介ページになっ
ていて、自社製品の販促の一環であるように思えます。

いろいろやっているように思いますが、ありていに言うと、現在の商売をず
っと延長していこうというようにしか見えません。

内情は知りませんが、端から見る限り、戦略的であるとはいえません。。。

■最初の話に戻りますが、戦略は、現状の延長ではありません。

概して、現場の営業に強い企業は、戦略づくりにまともに取り組まず、現場
の実践力でやり過ごしてしまう傾向にあるようです。

それは、成長する方法ではなく、延命という手法です。死ぬ時期を少し先延
ばししたに過ぎません。

企業が10年後、30年後、50年後も生きていくためには、ゼロベースで
戦略を組みなおす必要があります。

仮に、戦略づくりの結果が、現状の延長のようになったとしても、それはそ
れで構いません。ゼロから戦略づくりに取り組んだ結果だからです。

そのプロセスを経ずに、安易に現場の力に頼ることが、結局は、死ぬ時期を
早めてしまうことになるのです。

ブルドックソースが、戦略立案に取り組んだ末に、今のような施策をとって
いるのだとしたら、スミマセンm(_ _)m

ただ、webサイトを見ていても、そんな気配がないんですよね。。。

ここは、やはりソース市場を堅持すべく、強者の戦略で、主要分野のてこ入
れを図るべきです。

もんじゃ焼きシリーズが売上好調だと喜んでいる場合ではないですよ。

■ところが、オタフクソース側も、お好み焼き市場のトップに満足したのか、
「酢」市場への進出を狙っているようです。

ソースの市場規模1000億円程度に比べて、食酢の市場規模は約550億円。
http://industry.fideli.com/industry/m/industry4_20_1.html
(いずれも古いデータです。すみません...)

ただし、コモディティ化が進むソース市場に比べて、成長余地があると見ら
れます。

もっとも、食酢業界には、シェア40%を誇るミツカン酢がいますので、簡
単な市場ではありません。

ソース市場の制覇も道半ばなのに、新たな分野に進出するということには、
大いに疑問を感じます。

それほどソース市場は、魅力がないのか?

あるいは、陽動作戦の一種なのか?

ともあれ、オタフクソースが、食酢市場で、どのような弱者の戦略をとろう
としているのか、注目したいと思います。

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代表者・駒井俊雄が発行するメルマガ「営業は売り子じゃない!」
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