社会起業は一般の起業と何が違うのか?
(2009年5月7日メルマガより)
■最近読んだ本の中で印象的だったのが水野俊哉氏の「知っているようで知
らない法則のトリセツ」です。
水野俊哉氏はいわゆる「成功本」というジャンルの本を読みまくって、それ
を紹介するという作業をされている方のようです。
今回の著作は、その数多の成功本を取りまとめて、成功の法則そのものを提
示しようという試みです。
著者なりの「私版成功法則の集大成」といった趣でしょうか。
■一歩間違えば胡散臭いトンデモ本になってしまいそうなんですが、水野氏
のアプローチは、入れ込み過ぎず、他人事過ぎず、いい距離感を保っていま
す。
パクリだらけの成功本の世界で、出典を律儀に記す公正さも好感が持てます。
数多い成功法則を俯瞰して整理し、しかも原典にあたるための索引として役
立つように工夫しています。
■ただ、この本の価値は、やはり水野氏の成功本を集約し、再提示するとい
う「まとめる」力に負うところ大です。
この本の中で、水野氏は多くの成功本が説く成功法則は次のような言葉に集
約できると書いています。
「夢や目標を定め、自己管理しながら周囲の人への感謝を忘れず、ポジティ
ブに行動し続ける。そして、メンターやソウルメイトに出会い、やがて成功
へと至る。」
まさにこれぞ成功法則。実にうまいまとめ方ですねーー
キーワードを抽出すると「夢、目標」「自己管理」「感謝」「ポジティブな
行動」「メンター、ソウルメイト」ということになるでしょうか。
それぞれのキーワードを膨らませていくだけで、成功本の一丁あがりですな^^;
冗談はともかく。こういうまとめ方ができるということは、水野氏の抽象化
と具体化の能力の高さを示していますね。
これを読むと必ず成功しますよとは言いませんが、私としても非常に参考に
なった本でした。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■週刊ダイヤモンド2009/4/11号は「社会起業家」の特集をやっています。
そういえば、一種のブームになっているようですね。社会起業というものが。
■最初に言うのもなんですが、実は私は、社会起業という言い方に違和感を
覚えています。
一つは、私がたまたま知っている「社会起業家」を名乗る人が、情緒的に世
直しを叫ぶだけの夢想家か、リアルなビジネスが怖いだけの逃避家であった
ことです。
「世の中にいいことをやっているのだから誰かが助けてくれる」「助けよう
としないのは悪い人だ」ちょっと極端ですが、こういう考えが根底にあると
私には見えました。
これって一種の「社会起業選民主義」じゃないですか?
社会起業だと言うことが選民意識を助長しているとすれば、そんな呼び方は
ない方がいいですね。
(ほんの一部の人しか私は知りませんので。偏見に過ぎないとは思いますが)
■そもそも、社会起業と一般の起業にどのような違いがあるというのでしょ
うか?
週刊ダイヤモンドには、30人の社会起業家の事例が載っていますが、殆どは、
社会問題の解決をミッションにしているというものの事業収益で継続するビ
ジネスを志向しています。
目的を社会貢献とすることだけが社会起業であるとすれば、それは通常のビ
ジネスと何ら変わりません。
本来、すべてのビジネスは、社会に役立っていないと継続することはできま
せん。
マーケティングの理念そのものが社会貢献ですから、何を今更、社会起業を
名乗るのだろうと思うわけです。
■まあ、そういった私の立ち位置を明らかにしつつ、私なりに、社会起業
(企業)と一般の企業の違いについて整理したいと思います。
社会起業の定義はまだ無いのかも知れませんが、普通に考えれば「社会問題
の解決をビジネスの仕組みで行うことを志向して起業すること」ということ
でしょうか。
週刊ダイヤモンドには、病気の子供を預かる託児所を運営する事業、父親に
よる子育てを支援する事業、途上国の貧困者が製造した鞄を日本で販売する
事業、中高生のキャリア支援を行う事業、視覚障害者のサッカーを支援する
事業などが掲載されています。
社会問題という抽象的な言葉ですから、内容は千差万別で、人間の数だけ社
会問題があると言っても過言ではない。
これらの問題を寄付やボランティアで解決しようというのが慈善事業の範疇
であるとすれば、ビジネスの仕組みで解決しようというのが、社会起業だと
いうわけです。
(ちなみに営利団体、非営利団体という分け方もありますが、これは、収益
を株主に配当するかどうかの差であって、儲けを出す出さないということを
言っているわけではありません。社会起業もそうでない場合も、営利団体の
形式をとる場合も、非営利の場合もあります)
■週刊ダイヤモンドで田坂広志という方が仰っていましたが、日本はもとも
と「企業は社会の公器」という考え方を持っています。
渋沢榮一や松下幸之助といった有名な企業家の例を引くまでもなく、近江商
人の時代から日本の企業家は社会貢献を究極の目標にしてきました。
戦後の一時期とここ数年、アメリカ型株主至上主義や拝金主義が社会的に認
知されることもありましたが、やはり我々のDNAの中には「社会のために
働くことが、回りまわって自分のためになる」という考え方があるようです。
だから田坂氏の言うように「社会貢献の志を持つ者は誰でも社会起業家だ」
というべきであり、何ら特殊なものではない。
私に言わせれば、マーケティングを行う者は全て社会起業家です。
■現在が社会起業のブームであるとすれば、それは一時期の楽天的な拝金主
義の揺り戻しが来ているということでしょうか。
こういうことはブームになってほしくないですな。
あるいは、資本主義が転換期にあるということの証左の一つなのかも知れま
せん。
ちなみに田坂氏は「人々が給料や役職よりも、働き甲斐や人間的成長を望み
始めている」と言っています。
これは資本主義からの転換を示す一つの現象と言えるかも知れません。
言い換えると、一般の企業に所属していると働き甲斐や人間的成長が望めな
いと考えている若者が増えており、彼らが社会起業という言葉に惹かれてい
るということです。
だとすれば、一般企業のあり方と若者のギャップにこそ大きな「社会的問題」
がありそうですな。。。
思い起こせば、私も「仕事とはよりよい社会を作るための社会的分担である」
という言葉に感銘を受けて独立を思い立ったのですから、企業内にいては理
念を貫くことは難しかったという実感があったのでしょうか。その頃の気持
ちは、忘れてしまいましたが。
私も社会起業家だったんですなー^^;
■実は、ビジネスとして社会起業を見た時、非常に魅力的だと私は感じてい
ます。
まず、多くの社会起業は、起業家自身の問題意識から始まっていることが多
い。身近で明確な問題を対象にしています。
だから、顧客ニーズが絞り込まれていて明確です。「小さな市場を狙え」と
いう原則に側しています。
週刊ダイヤモンドの例で言うと、フローレンスというNPOは、病気の子供
でも預かってほしいと考えている母親をターゲットにして、託児所を運営し
ています。自分の体験から来るビジネスなので切実さがあります。
カタリバというNPOは、自分の将来について真剣に考える機会を学校教育
の中で与えられないでいる中高生に対して、大学生のボランティアが相談相
手になり考える機会を作るという事業を行っています。こちらは学校がコス
ト負担をするビジネスです。
コトバノアトリエというNPOは、夢あって東京に出てきた若者たちに低家
賃住宅を斡旋するビジネスです。このNPOが、理解のある大家さんを見つ
けてきて、漫画家志望の若者たちに紹介するだけではなく、仕事の斡旋や出
版社の紹介までも行っているようです。
いずれも絞られた顧客ニーズから発想したビジネスなので、ピンポイントで、
きめ細かなサービスを展開することができます。
■単純な話、「何かを必要としている人」に「必要な商品・サービス」を提
供することは、ビジネス成立の第一条件です。
「この土地を使って何かしたい」「せっかくこの資格があるのだから活用し
よう」「あの補助金をもらって何かできないかな」こういうシーズからの発
想が入ると、徐々に顧客ニーズを汲み取ることが難しくなっていきます。
その点、社会起業家は、常に顧客側から発想しているので、ビジネスの基本
に忠実で、迷いなく取り組めるといえます。
■ただし、こうしたターゲット顧客に大きなコスト負担を強いるわけにはい
きません。
だから社会起業家の「金銭的報酬よりも働き甲斐」という姿勢が重要です。
小さすぎて通常ならビジネスとして取りこぼしてしまうニーズも、社会起業
なら、期待利益が低くなるので、成立する可能性が高くなります。
いや、儲からないから問題解決を諦めようという発想は社会起業家にはない
はず。お金がないなら、ない中で何とかしようというのが、社会起業家の姿
勢であり真骨頂です。
上のフローレンスやコトバノアトリエなど場所が必要なビジネスも、店舗や
不動産を持たずに、損益分岐点を下げるというやり方を編み出しています。
フローレンスの駒崎弘樹氏など、役所と散々喧嘩をした末に、共済保育とい
う現在の仕組みを作ったようです。
参考「「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方」
このしたたかさは、ビジネスをする全員が見習わなければならないものです
ね。
(なお、実際に社会起業が事業収益だけで成立していることは稀で、今のと
ころは、寄付や補助金を含めて運営しているところが殆どです)
■ターゲット顧客を明確にして、彼らが欲しいと思う商品・サービスをお金
がない中、工夫して提供する。
ここまでは通常のビジネスと同じです。
「何とかして儲けたれ」という邪念が入り込まない分、純粋に顧客に受け入
れられやすい優れたビジネスであると言えます。
■では、何が社会起業と一般の起業を分けるのか?
それは、競争に対する考え方であると私は考えています。
ビジネスが成立するためのもう一つの条件は、競合企業に負けないというこ
とです。
すべての企業が競争に勝って生き残る方法を必死で探しています。
ランチェスター戦略は、競争戦略ですから、まさに敵とどう戦うかを伝える
ものす。
ただ、社会起業(企業)は、基本的に競争という概念を持っていません。
え?そうなの?
と思われるかも知れませんが、そうなんです。
■以前、CS放送である社会起業家あるいは評論家の方(誰だか忘れました)
が、話しているのを聞いたことがあります。
その方によると「社会起業というのは社会問題の解決を目指しているので、
問題が解決すれば事業そのものを止めてしまう」そうです。
確かにそれが理に適っています。
社会起業家が理念を忘れてしまえば、普通の起業よりも性質の悪いものにな
ってしまいますから、それは守っていただかないとだめです。
問題が解決すればやめる。
この部分では、永続的な持続を目指す一般企業と大きく異なります。
同時に競合対策も必要ありません。
なぜなら、他の企業が同じことをやってくれた方が、問題解決に一歩近づく
はずだからです。
だから、多くの社会起業家は、自分のノウハウを公開しています。
同じやり方でどんどん参入してほしい。その方が、問題解決になるはずだか
ら、というわけです。
■競争がサービスの質を上げていくという側面はありますので、切磋琢磨す
ることは必要でしょう。
ただそれはあくまで、仲間として条件を合わせて顧客満足度を競い合うとい
う競争であり、「孫子の兵法」のような騙しあいや謀略で相手を出し抜く競
争ではありません。
一般の企業は社内では情報・ノウハウを共有し、従業員同士の競争の条件を
均一にしようとします。
また一部の業界団体でも、業界内で情報交換し、持っている情報・ノウハウ
の質を同じにしようとします。(やりすぎると談合のような動きになります
が)
これに対して社会起業家は、社会全体で情報・ノウハウを共有し、同じ条件
で競争できるように志向していると言えます。
■社会起業が情報・ノウハウを公開するのは、拡大を志向しないということ
にも関連があるのではないでしょうか。
競争に勝って成長してしまえば、従業員を増やす必要に迫られます。すると
雇用に対する責任が大きくなってしまい企業の存続が存在価値となってしま
います。
成長することは自己矛盾を起こすことにつながるわけです。
■この競争という概念に対する取り組み姿勢が、社会起業(企業)と一般の
起業(企業)の最大の違いであると私は考えています。
その他、企業収益を次の顧客満足のための事業投資に回すという考え方も同
じです。
経営者があまり大きな報酬を得ないというのも、日本の企業では一般的です
から、社会起業とそれほど変わりはないはずです。
違いはほんの少しだということです。
■ですから、戦略、管理、実践における様々な考え方や手法は、社会起業も
一般の起業も同じであり、活用することができます。
ランチェスター戦略における「目標達成の技術」なども、そのまま使えます
ので、ご安心ください^^
■今回は私なりの考えを書きましたが、実際のところどうなんでしょうか。
正直に言って、今は社会起業の黎明期です。
進歩していると言われる欧米においても、社会起業は、一般の企業が取りこ
ぼしたことを拾う補助的な存在です。
多くの社会企業が、一般企業の収益から寄付を受ける形で運営されており、
自立しているとは言えない状況のようです。
資本主義は、競争こそが社会を進歩発展させると考えるシステムですが、そ
のシステムが取りこぼした多くのものを社会起業家と言われる人々が、担お
うとしています。
それは、単に、資本主義というシステムを補完するだけの仕組みなのか。あ
るいは、社会起業(企業)そのものが社会全体を取り込んでいき、ポスト資
本主義社会というものを現出させるのか。
欧米と日本では社会的な背景が違うので、今後、社会起業がどのような展開
を見せるのか分かりません。
我々のDNAに従って、日本全体に社会起業の思想が浸透し、ポスト資本主
義の時代をいち早く到来させるのかも知れません。
あるいは、モラトリアムの若者による一過性のブームとして忘れ去られるの
かも知れません。
単なるブームだとすれば、次にまた揺り戻しが来て、拝金主義が声高に叫ば
れるようになるのでしょうかね。
それはご勘弁願いたいものですが。
(2009年5月7日メルマガより)
■最近読んだ本の中で印象的だったのが水野俊哉氏の「知っているようで知
らない法則のトリセツ」です。
水野俊哉氏はいわゆる「成功本」というジャンルの本を読みまくって、それ
を紹介するという作業をされている方のようです。
今回の著作は、その数多の成功本を取りまとめて、成功の法則そのものを提
示しようという試みです。
著者なりの「私版成功法則の集大成」といった趣でしょうか。
■一歩間違えば胡散臭いトンデモ本になってしまいそうなんですが、水野氏
のアプローチは、入れ込み過ぎず、他人事過ぎず、いい距離感を保っていま
す。
パクリだらけの成功本の世界で、出典を律儀に記す公正さも好感が持てます。
数多い成功法則を俯瞰して整理し、しかも原典にあたるための索引として役
立つように工夫しています。
■ただ、この本の価値は、やはり水野氏の成功本を集約し、再提示するとい
う「まとめる」力に負うところ大です。
この本の中で、水野氏は多くの成功本が説く成功法則は次のような言葉に集
約できると書いています。
「夢や目標を定め、自己管理しながら周囲の人への感謝を忘れず、ポジティ
ブに行動し続ける。そして、メンターやソウルメイトに出会い、やがて成功
へと至る。」
まさにこれぞ成功法則。実にうまいまとめ方ですねーー
キーワードを抽出すると「夢、目標」「自己管理」「感謝」「ポジティブな
行動」「メンター、ソウルメイト」ということになるでしょうか。
それぞれのキーワードを膨らませていくだけで、成功本の一丁あがりですな^^;
冗談はともかく。こういうまとめ方ができるということは、水野氏の抽象化
と具体化の能力の高さを示していますね。
これを読むと必ず成功しますよとは言いませんが、私としても非常に参考に
なった本でした。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■週刊ダイヤモンド2009/4/11号は「社会起業家」の特集をやっています。
そういえば、一種のブームになっているようですね。社会起業というものが。
■最初に言うのもなんですが、実は私は、社会起業という言い方に違和感を
覚えています。
一つは、私がたまたま知っている「社会起業家」を名乗る人が、情緒的に世
直しを叫ぶだけの夢想家か、リアルなビジネスが怖いだけの逃避家であった
ことです。
「世の中にいいことをやっているのだから誰かが助けてくれる」「助けよう
としないのは悪い人だ」ちょっと極端ですが、こういう考えが根底にあると
私には見えました。
これって一種の「社会起業選民主義」じゃないですか?
社会起業だと言うことが選民意識を助長しているとすれば、そんな呼び方は
ない方がいいですね。
(ほんの一部の人しか私は知りませんので。偏見に過ぎないとは思いますが)
■そもそも、社会起業と一般の起業にどのような違いがあるというのでしょ
うか?
週刊ダイヤモンドには、30人の社会起業家の事例が載っていますが、殆どは、
社会問題の解決をミッションにしているというものの事業収益で継続するビ
ジネスを志向しています。
目的を社会貢献とすることだけが社会起業であるとすれば、それは通常のビ
ジネスと何ら変わりません。
本来、すべてのビジネスは、社会に役立っていないと継続することはできま
せん。
マーケティングの理念そのものが社会貢献ですから、何を今更、社会起業を
名乗るのだろうと思うわけです。
■まあ、そういった私の立ち位置を明らかにしつつ、私なりに、社会起業
(企業)と一般の企業の違いについて整理したいと思います。
社会起業の定義はまだ無いのかも知れませんが、普通に考えれば「社会問題
の解決をビジネスの仕組みで行うことを志向して起業すること」ということ
でしょうか。
週刊ダイヤモンドには、病気の子供を預かる託児所を運営する事業、父親に
よる子育てを支援する事業、途上国の貧困者が製造した鞄を日本で販売する
事業、中高生のキャリア支援を行う事業、視覚障害者のサッカーを支援する
事業などが掲載されています。
社会問題という抽象的な言葉ですから、内容は千差万別で、人間の数だけ社
会問題があると言っても過言ではない。
これらの問題を寄付やボランティアで解決しようというのが慈善事業の範疇
であるとすれば、ビジネスの仕組みで解決しようというのが、社会起業だと
いうわけです。
(ちなみに営利団体、非営利団体という分け方もありますが、これは、収益
を株主に配当するかどうかの差であって、儲けを出す出さないということを
言っているわけではありません。社会起業もそうでない場合も、営利団体の
形式をとる場合も、非営利の場合もあります)
■週刊ダイヤモンドで田坂広志という方が仰っていましたが、日本はもとも
と「企業は社会の公器」という考え方を持っています。
渋沢榮一や松下幸之助といった有名な企業家の例を引くまでもなく、近江商
人の時代から日本の企業家は社会貢献を究極の目標にしてきました。
戦後の一時期とここ数年、アメリカ型株主至上主義や拝金主義が社会的に認
知されることもありましたが、やはり我々のDNAの中には「社会のために
働くことが、回りまわって自分のためになる」という考え方があるようです。
だから田坂氏の言うように「社会貢献の志を持つ者は誰でも社会起業家だ」
というべきであり、何ら特殊なものではない。
私に言わせれば、マーケティングを行う者は全て社会起業家です。
■現在が社会起業のブームであるとすれば、それは一時期の楽天的な拝金主
義の揺り戻しが来ているということでしょうか。
こういうことはブームになってほしくないですな。
あるいは、資本主義が転換期にあるということの証左の一つなのかも知れま
せん。
ちなみに田坂氏は「人々が給料や役職よりも、働き甲斐や人間的成長を望み
始めている」と言っています。
これは資本主義からの転換を示す一つの現象と言えるかも知れません。
言い換えると、一般の企業に所属していると働き甲斐や人間的成長が望めな
いと考えている若者が増えており、彼らが社会起業という言葉に惹かれてい
るということです。
だとすれば、一般企業のあり方と若者のギャップにこそ大きな「社会的問題」
がありそうですな。。。
思い起こせば、私も「仕事とはよりよい社会を作るための社会的分担である」
という言葉に感銘を受けて独立を思い立ったのですから、企業内にいては理
念を貫くことは難しかったという実感があったのでしょうか。その頃の気持
ちは、忘れてしまいましたが。
私も社会起業家だったんですなー^^;
■実は、ビジネスとして社会起業を見た時、非常に魅力的だと私は感じてい
ます。
まず、多くの社会起業は、起業家自身の問題意識から始まっていることが多
い。身近で明確な問題を対象にしています。
だから、顧客ニーズが絞り込まれていて明確です。「小さな市場を狙え」と
いう原則に側しています。
週刊ダイヤモンドの例で言うと、フローレンスというNPOは、病気の子供
でも預かってほしいと考えている母親をターゲットにして、託児所を運営し
ています。自分の体験から来るビジネスなので切実さがあります。
カタリバというNPOは、自分の将来について真剣に考える機会を学校教育
の中で与えられないでいる中高生に対して、大学生のボランティアが相談相
手になり考える機会を作るという事業を行っています。こちらは学校がコス
ト負担をするビジネスです。
コトバノアトリエというNPOは、夢あって東京に出てきた若者たちに低家
賃住宅を斡旋するビジネスです。このNPOが、理解のある大家さんを見つ
けてきて、漫画家志望の若者たちに紹介するだけではなく、仕事の斡旋や出
版社の紹介までも行っているようです。
いずれも絞られた顧客ニーズから発想したビジネスなので、ピンポイントで、
きめ細かなサービスを展開することができます。
■単純な話、「何かを必要としている人」に「必要な商品・サービス」を提
供することは、ビジネス成立の第一条件です。
「この土地を使って何かしたい」「せっかくこの資格があるのだから活用し
よう」「あの補助金をもらって何かできないかな」こういうシーズからの発
想が入ると、徐々に顧客ニーズを汲み取ることが難しくなっていきます。
その点、社会起業家は、常に顧客側から発想しているので、ビジネスの基本
に忠実で、迷いなく取り組めるといえます。
■ただし、こうしたターゲット顧客に大きなコスト負担を強いるわけにはい
きません。
だから社会起業家の「金銭的報酬よりも働き甲斐」という姿勢が重要です。
小さすぎて通常ならビジネスとして取りこぼしてしまうニーズも、社会起業
なら、期待利益が低くなるので、成立する可能性が高くなります。
いや、儲からないから問題解決を諦めようという発想は社会起業家にはない
はず。お金がないなら、ない中で何とかしようというのが、社会起業家の姿
勢であり真骨頂です。
上のフローレンスやコトバノアトリエなど場所が必要なビジネスも、店舗や
不動産を持たずに、損益分岐点を下げるというやり方を編み出しています。
フローレンスの駒崎弘樹氏など、役所と散々喧嘩をした末に、共済保育とい
う現在の仕組みを作ったようです。
参考「「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方」
このしたたかさは、ビジネスをする全員が見習わなければならないものです
ね。
(なお、実際に社会起業が事業収益だけで成立していることは稀で、今のと
ころは、寄付や補助金を含めて運営しているところが殆どです)
■ターゲット顧客を明確にして、彼らが欲しいと思う商品・サービスをお金
がない中、工夫して提供する。
ここまでは通常のビジネスと同じです。
「何とかして儲けたれ」という邪念が入り込まない分、純粋に顧客に受け入
れられやすい優れたビジネスであると言えます。
■では、何が社会起業と一般の起業を分けるのか?
それは、競争に対する考え方であると私は考えています。
ビジネスが成立するためのもう一つの条件は、競合企業に負けないというこ
とです。
すべての企業が競争に勝って生き残る方法を必死で探しています。
ランチェスター戦略は、競争戦略ですから、まさに敵とどう戦うかを伝える
ものす。
ただ、社会起業(企業)は、基本的に競争という概念を持っていません。
え?そうなの?
と思われるかも知れませんが、そうなんです。
■以前、CS放送である社会起業家あるいは評論家の方(誰だか忘れました)
が、話しているのを聞いたことがあります。
その方によると「社会起業というのは社会問題の解決を目指しているので、
問題が解決すれば事業そのものを止めてしまう」そうです。
確かにそれが理に適っています。
社会起業家が理念を忘れてしまえば、普通の起業よりも性質の悪いものにな
ってしまいますから、それは守っていただかないとだめです。
問題が解決すればやめる。
この部分では、永続的な持続を目指す一般企業と大きく異なります。
同時に競合対策も必要ありません。
なぜなら、他の企業が同じことをやってくれた方が、問題解決に一歩近づく
はずだからです。
だから、多くの社会起業家は、自分のノウハウを公開しています。
同じやり方でどんどん参入してほしい。その方が、問題解決になるはずだか
ら、というわけです。
■競争がサービスの質を上げていくという側面はありますので、切磋琢磨す
ることは必要でしょう。
ただそれはあくまで、仲間として条件を合わせて顧客満足度を競い合うとい
う競争であり、「孫子の兵法」のような騙しあいや謀略で相手を出し抜く競
争ではありません。
一般の企業は社内では情報・ノウハウを共有し、従業員同士の競争の条件を
均一にしようとします。
また一部の業界団体でも、業界内で情報交換し、持っている情報・ノウハウ
の質を同じにしようとします。(やりすぎると談合のような動きになります
が)
これに対して社会起業家は、社会全体で情報・ノウハウを共有し、同じ条件
で競争できるように志向していると言えます。
■社会起業が情報・ノウハウを公開するのは、拡大を志向しないということ
にも関連があるのではないでしょうか。
競争に勝って成長してしまえば、従業員を増やす必要に迫られます。すると
雇用に対する責任が大きくなってしまい企業の存続が存在価値となってしま
います。
成長することは自己矛盾を起こすことにつながるわけです。
■この競争という概念に対する取り組み姿勢が、社会起業(企業)と一般の
起業(企業)の最大の違いであると私は考えています。
その他、企業収益を次の顧客満足のための事業投資に回すという考え方も同
じです。
経営者があまり大きな報酬を得ないというのも、日本の企業では一般的です
から、社会起業とそれほど変わりはないはずです。
違いはほんの少しだということです。
■ですから、戦略、管理、実践における様々な考え方や手法は、社会起業も
一般の起業も同じであり、活用することができます。
ランチェスター戦略における「目標達成の技術」なども、そのまま使えます
ので、ご安心ください^^
■今回は私なりの考えを書きましたが、実際のところどうなんでしょうか。
正直に言って、今は社会起業の黎明期です。
進歩していると言われる欧米においても、社会起業は、一般の企業が取りこ
ぼしたことを拾う補助的な存在です。
多くの社会企業が、一般企業の収益から寄付を受ける形で運営されており、
自立しているとは言えない状況のようです。
資本主義は、競争こそが社会を進歩発展させると考えるシステムですが、そ
のシステムが取りこぼした多くのものを社会起業家と言われる人々が、担お
うとしています。
それは、単に、資本主義というシステムを補完するだけの仕組みなのか。あ
るいは、社会起業(企業)そのものが社会全体を取り込んでいき、ポスト資
本主義社会というものを現出させるのか。
欧米と日本では社会的な背景が違うので、今後、社会起業がどのような展開
を見せるのか分かりません。
我々のDNAに従って、日本全体に社会起業の思想が浸透し、ポスト資本主
義の時代をいち早く到来させるのかも知れません。
あるいは、モラトリアムの若者による一過性のブームとして忘れ去られるの
かも知れません。
単なるブームだとすれば、次にまた揺り戻しが来て、拝金主義が声高に叫ば
れるようになるのでしょうかね。
それはご勘弁願いたいものですが。
コラム
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- 2019.10.31:ユニクロ会長が怒る「失われた30年」から抜け出すことはできるのか?
- 2019.10.17:サマンサタバサはなぜ紳士服のコナカに買われたのか?
- 2019.10.03:中小零細企業の大半が不要だと言われてしまう理由
- 2019.09.19:ZOZO身売りに見た前澤氏の限界と可能性
- 2019.09.05:ビアードパパのすごい展開力
- 2019.08.22:マイクロソフトはなぜ比類なき復活を遂げたのか?
- 2019.08.08:空前絶後の幸運に見舞われながらも、それゆえに破滅した男の話。
- 2019.07.25:吉本が、これほどマネジメント能力がないとは驚いた
- 2019.07.11:ネットフリックスは、本気のディズニーに勝てるのか?
- 2019.06.27:ぺんてるとコクヨ またかよ!?と言いたくなるお家騒動がらみの揉め事
- 2019.06.13:驚異の高収益企業キーエンスの理由
- 2019.05.30:井上尚弥が導く異次元のボクシングビジネス
- 2019.05.16:WOWOWをV字回復させたサブスクビジネスの本質
- 2019.05.02:ランチェスター戦略で令和を生き抜く
- 2019.04.18:豊臣秀吉に学ぶ「人を動かす」秘訣
- 2019.04.04:令和のランチェスター戦略
- 2019.03.21:それでも生き残る!小さな会社の生き残り術
- 2019.03.07:少子高齢化と人口減少に直面する日本を破綻させなめに我々がすべきこと
- 2019.02.21:吉野家は過去の栄光を捨て去れるのか
- 2019.02.07:「サブスク」ビジネスの衝撃
- 2019.01.24:島田紳助や大前研一が提唱する成功理論・成功術
- 2019.01.10:平成が終わっても、人生は終わらない
- 2018.12.27:サーモス(THERMOS)V字回復の鍵は「接近戦」にあり
- 2018.12.13:カルロス・ゴーン事件が教える組織の腐り方
- 2018.11.29:RIZAPリバイバルプランは結果にコミットするか
- 2018.11.01:アマゾン・エフェクトに対抗する手段はあるのか
- 2018.10.04:ランチェスター戦略が示す3つのマジックナンバー
- 2018.09.20:ランチェスター戦略の中で、いちばん使えるところを教えます。
- 2018.09.06:ボクシング 井上尚弥にあって、山中慎介になかったもの
- 2018.08.23:川淵三郎はなぜ他のスポーツ団体関係者のようにダークサイドに堕ちないのか?
- 2018.08.09:半周遅れのヤフーによる起死回生の逆転戦略
- 2018.07.26:営業は「準備」が9割!
- 2018.07.12:サッカーW杯日本代表はなぜ躍進したのか?
- 2018.06.28:メルカリが破格の期待を集める5つの理由
- 2018.06.14:楽天が携帯電話事業にいまさら参入する理由
- 2018.05.31:スタジオアリスがさらに成長するための方法
- 2018.05.17:私が出会った優秀なコンサルタント
- 2018.05.03:サーモス(THERMOS)の奇跡はなぜ起きたのか?
- 2018.04.19:ワークマンは第二のユニクロになれるのか?
- 2018.04.05:これから営業職につく若い人に言いたいこと
- 2018.03.22:シリアルアントレプレナー「ブックオフ」「俺の」創業者の成功パターン
- 2018.03.08:サンマルクカフェにわざわざ行く理由があるのか?
- 2018.02.22:小さな事業者が新規開拓で成功する方法
- 2018.02.08:「なんでも酒やカクヤス」にみる局地戦の極意
- 2018.01.25:私が生き残っているのは「弱者の5大戦略」を実践してきたからです。
- 2018.01.11:2018年 君たちはどう生きるか(吉野源三郎や宮崎駿とは関係ありません)
- 2017.12.28:AIの時代に、どのような営業が生き残れるのか?
- 2017.12.14:ナイキもアシックスも「SHOE DOG」だ!
- 2017.11.30:TSUTAYAやDMMはしたたかに生き残っていくだろうが限界もある
- 2017.11.16:「シン・ゴジラ」って途中まで面白いけど、後半グダグダじゃないですか?
- 2017.11.02:織田信長が22年かけてできなかった天下統一を、豊臣秀吉がたった8年でできた理由
- 2017.10.19:電気自動車(EV)の時代に日本企業は生き残れるのか
- 2017.10.05:顧客満足度3年連続1位!ドトールコーヒーが最強か
- 2017.09.21:ヤマダ電機が生き残りを賭けて反攻開始!
- 2017.09.07:ドラッグストアが、コンビニを食い物にしている
- 2017.08.24:国内で敵なしのカルビーの将来が必ずしも明るくない理由
- 2017.08.10:君は内山高志を見たか
- 2017.07.27:金本知憲監督はすべての中間管理職の象徴だ
- 2017.07.13:自然界のランチェスター戦略
- 2017.06.29:回転寿司は群雄割拠の戦国時代に入った
- 2017.06.15:小さな会社のM&Aが日本を救う?
- 2017.06.01:AbemaTVは年間200億円の赤字から脱却できるのか?
- 2017.05.18:大阪・堺の超優良企業シマノは、これからも盤石なのか?
- 2017.05.04:知られざる成長産業 コインランドリー業界はどうなっているのか?
- 2017.04.20:新社会人に贈る「1万時間の法則」
- 2017.04.06:野村克也を超一流のプロ野球人にした3つの力
- 2017.03.23:風林火山を旗印に掲げた武田信玄は、戦略家ではなかったのか?
- 2017.03.09:ラスト・ワンマイルの表と裏をおさえよ
- 2017.02.23:鳥貴族の成長はこのまま∞に続くのか
- 2017.02.09:キングコング西野の絵本「えんとつ町のプペル」はなぜ炎上するほど売れているのか?
- 2017.01.26:アマゾンはどこから来てどこへ行くのか
- 2017.01.12:「孫子」を5つのポイントで整理した
- 2016.12.29:真田幸村はなぜ「日本一の兵」になったのか?
- 2016.12.15:セイコーマート・北の最強コンビニはどのようにできたのか
- 2016.12.01:クリスピー・クリーム・ドーナツの大量閉店は、前向きだったのですね
- 2016.11.17:ジーユーがユニクロを超える時、ファーストリテイリングは世界トップになる
- 2016.11.03:ピコ太郎はなぜ世界を席巻したのか?
- 2016.10.20:地域密着営業って何だろう?
- 2016.10.06:繁盛する居酒屋には、現場営業に必要なヒントが満載だ
- 2016.09.22:天下分け目といわれた関ヶ原の戦いはなぜ半日で決着がついたのか?
- 2016.09.08:「世界の山ちゃん」は世界に届くのか
- 2016.08.25:リオ五輪 男子柔道はなぜ躍進したのか?
- 2016.08.11:ポケモンGOは、何をGOしたのか?
- 2016.07.28:営業は純粋な「技術」であり、誰でも身に着けられるものである
- 2016.07.14:金本を信じよ!
- 2016.06.30:せっかく展示会出展しても成果の出ないやり方をしている企業が多すぎる
- 2016.06.16:小さな会社が生き残る秘訣は「ニッチであること」その他には...
- 2016.06.02:びっくりドンキーは弱者のエネルギーに満ちていた
- 2016.05.19:「同率勝算の規則」に則った唯一の成功法則
- 2016.05.05:レスターに学ぶ「奇跡のチーム」を作る3つの秘訣
- 2016.04.21:世紀のちゃぶ台返し!セブンに何があったのか
- 2016.04.07:新社会人に贈る あなたの人生を豊かにする秘訣
- 2016.03.24:コメダ珈琲店に人気があるのは理由がある
- 2016.03.10:小さくても生き残る「局所的な強者」の作り方
- 2016.02.25:「営業の仕組み」を身に着ければ、目標達成に苦しまなくなる
- 2016.02.11:子供に自慢できる人生を送りたいなら
- 2016.01.28:マクドナルドもスターバックスも日本市場をなめるな!
- 2016.01.14:「孫子の兵法」を企業経営に活かす方法
- 2015.12.31:結果を出す人は、手段を目的化している
- 2015.12.17:廃業寸前の負け犬集団が、常勝軍団に生まれ変わったわけ
- 2015.12.03:なぜ「世界トップ企業」を目指すのか?
- 2015.11.19:初めての著作は、なぜ「小説」になったのか?
- 2015.11.05:戦略は実行させなければ意味がない
- 2015.10.22:世界トップ企業への道は「差別化」が開く
- 2015.10.08:世界トップ企業になるために最初にしなければならないこと
- 2015.09.24:サーモス(THERMOS)はなぜ「廃業寸前」から世界トップ企業になったのか?
- 2015.09.10:営業には3つの役割がある
- 2015.08.27:楽天球団は、新しい野球を見せてくれ!
- 2015.08.13:ユニクロは、無印良品と提携せよ
- 2015.07.23:ノキアと日本電産 東西M&A巧者のやり方
- 2015.07.09:ワクワクする仕事しかやりません。
- 2015.06.25:ライザップはなぜ叩かれるのか?
- 2015.06.11:「けっこういい」よりも「並外れてダメ」がいい
- 2015.05.28:戦略には「感動」が必要だ
- 2015.05.14:「孔子」を学ぶ意味
- 2015.04.30:スカイマークはなぜ優遇されながら破綻したのか?
- 2015.04.16:セブンvsミスド 初戦の判定は
- 2015.04.02:任天堂はもう一度天下をとれるのか
- 2015.03.19:ファミマはセブンに勝てるのか?
- 2015.03.05:大塚家具の父と娘はどちらが正しいのか?
- 2015.02.19:成長しないビジネスのロールモデル
- 2015.02.05:100回勝負に持ち込めば絶対に勝てる
- 2015.01.22:キリンビバレッジは逆転できるのか?
- 2015.01.08:「孫子」を活用するための最大のキーワード
- 2014.12.31:「孫子の兵法」を学ぶ
- 2014.12.25:ハウステンボスはどのようにして再建されたのか?
- 2014.12.11:テラモーターズは、なぜオートバイ市場のトップ企業となったのか?
- 2014.11.27:人を動かすシンプルなメソッド
- 2014.11.13:嫌いな顧客を嫌いだと思わなくなる方法
- 2014.10.30:縄文時代が何年続いたか知ってます?
- 2014.10.02:阪神タイガースはなぜ優勝できないのか?
- 2014.09.18:創業塾でのQ&A
- 2014.08.21:コンビニのアイスクリームはどうなっているのか
- 2014.08.07:創業して10年続く人が持っている3つの資質
- 2014.07.24:私が「孫子」を使う理由
- 2014.07.10:「三国志」の戦いで勝敗が決する要因とは?
- 2014.06.26:「孫子の兵法」でみる2014年ワールドカップ日本代表の戦い
- 2014.06.12:マラドーナはなぜ三流監督で終わったのか?
- 2014.05.29:相性のいい顧客を探す方法
- 2014.05.15:営業が不得意な人は、営業なんてしない方が成果が上がる
- 2014.05.01:GoProは、強者になれるのか
- 2014.04.17:マクドナルドは、マイルドヤンキーを狙え!
- 2014.04.03:売れる仕組みが必要な理由
- 2014.03.20:営業プロセスがなければ組織は動かない
- 2014.03.06:ビジネスの設計図を作ろう
- 2014.02.20:彼を知り己を知れば...
- 2014.02.06:ビジョンは営業チームを一丸にする
- 2014.01.23:楽しくなければ営業じゃない!
- 2014.01.09:私がメルマガを書く「立ち位置」
- 2013.12.26:レゴは、なぜ世界第2位の玩具メーカーに復活したのか?
- 2013.12.12:コトラーに教えらえた初心に戻る
- 2013.11.28:日本のモノづくりを復活させるには
- 2013.11.14:レッドブルが世界で52億本も売れた「何か」
- 2013.10.31:ヤフーはどこに行こうとしているのか?
- 2013.10.17:飛び火マーケティングの時代-GoPro
- 2013.10.03:アップルは普通の企業になってしまった
- 2013.09.19:7年後、日本は巨大な展示会場になる
- 2013.09.05:店舗系ビジネスの弱者の戦略
- 2013.08.22:私がイチローから学ぶ3つのこと
- 2013.08.08:脱・人脈の営業
- 2013.07.25:ソーシャル時代の「真実の瞬間」
- 2013.07.11:統計は最強の営業マネジメントツールである
- 2013.06.27:新興宗教のビジネスモデル
- 2013.06.13:進化する教育システムに乗り遅れるな
- 2013.05.30:お医者さんや弁護士さんの営業戦略
- 2013.05.16:できる営業は、負け方が違う
- 2013.05.02:宮崎駿とスタジオジブリについて
- 2013.04.18:差別化は、マイナスせよ
- 2013.04.04:JAL再生にみる企業変革の王道
- 2013.03.21:第3回WBC終戦記念 がんばれプロ野球
- 2013.03.07:マイケル・ポーターの戦略はもう通用しないのか?
- 2013.02.21:王将の餃子は大阪を跳び出すか?
- 2013.02.07:営業チームマネジメントの第一歩
- 2013.01.24:失速したマクドナルドの次の一手は?
- 2013.01.10:阪神タイガースは暗黒時代に戻っていくのか
- 2012.12.27:衰退市場でトップを張る宝島社の戦略
- 2012.12.13:目標は、顧客総取り!
- 2012.11.29:答えのない問題に取り組めるのか
- 2012.11.15:手っ取り早く実績を上げるには
- 2012.11.01:プロ野球は、名選手しか監督になれないのか?
- 2012.10.18:世界王者が世界に挑戦!
- 2012.10.04:新・携帯電話版三国志
- 2012.09.20:安売りせずに売る方法
- 2012.09.06:脳内のリミットを外せ
- 2012.08.23:儲ける方法をタネ明かしする
- 2012.08.09:もうかるビジネスにはタネがある
- 2012.07.26:ステーキを売るな、○○を売れ!
- 2012.07.12:一流の営業になるために絶対に避けられない道
- 2012.06.28:顧客を創造するということ
- 2012.06.14:ビジネスが成立するための3つの要素
- 2012.05.31:理屈で捉えきれない会社もある
- 2012.05.17:戦術は現状を効率的にする。戦略は現状を破壊する
- 2012.05.03:物語風ビジネス書を読んでみよう
- 2012.04.19:市場価値より企業内価値を高めよう
- 2012.04.05:3つの起業家タイプが注意すること
- 2012.03.22:ソニーはどこへ行った?
- 2012.03.08:利益を上げるための最もシンプルな方法
- 2012.02.23:ランチェスター戦略を営業に活かすたった3つのプロセス
- 2012.02.09:日本の電機メーカーはどうすれば生き残れるのか
- 2012.01.26:心理学はビジネスに生かせるのか
- 2012.01.12:水戸黄門の終焉と大阪都構想
- 2011.12.29:「坂の上の雲」を越えていこう
- 2011.12.15:強い現場を作る方法
- 2011.12.01:なぜ落合博満はブレないのか?
- 2011.11.17:小さなお菓子屋さんが描く大きなストーリー
- 2011.11.03:理屈でメシは食えん!でいいの?
- 2011.10.20:iPhone vs iPhone
- 2011.10.06:本質からはじめよ!
- 2011.09.22:アマゾンにチャレンジ!
- 2011.09.08:さらば、スティーブ・ジョブズ
- 2011.08.25:マフィアにビジネスの極意を聞く
- 2011.08.11:たまにはビジネス小説でも読みましょうか
- 2011.07.28:なぜ我々にはマーケティングが必要なのか?
- 2011.07.14:「いい商品」って何ですか?
- 2011.06.30:カリスマ営業を有難がっても意味ないでしょう
- 2011.06.16:ネスプレッソが売れている理由
- 2011.06.02:孫子、ポーター、ランチェスター
- 2011.05.19:足腰の弱い欧米企業、頭の弱い日本企業
- 2011.05.05:斎藤佑樹はプロ野球で通用するか?
- 2011.04.21:ランチェスター戦略って役に立つの?
- 2011.04.07:温泉旅館を蘇らせるには
- 2011.03.24:弱い人をより弱くするのが戦略なのか
- 2011.03.10:タスク管理と時間管理のツール紹介
- 2011.02.24:プレーヤーからマネージャーへ
- 2011.02.10:110兆円の市場に遅れた日本
- 2011.01.27:物語と希望の深い関係
- 2011.01.13:グーグルVSアップル
- 2010.12.30:面白い戦略ストーリーの作り方
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- 2010.12.02:理屈のない実行はギャンブルですよ
- 2010.11.18:メイド・カフェの営業プロセス
- 2010.11.04:プロ野球球団運営を成功させるには
- 2010.10.21:勝ちパターンの作り方
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- 2010.09.23:世紀末都市・アキバ
- 2010.09.09:コンビニ・オーナーというビジネス
- 2010.08.26:もし現場のオッチャンがポーターを学んだら
- 2010.08.12:坂の上に雲は見えない?
- 2010.07.29:システム思考って何だろう
- 2010.07.15:営業は「点取り屋」ではない!
- 2010.07.01:戦略はストーリーで語れ2
- 2010.06.17:戦略はストーリーで語れ
- 2010.06.03:アップルは本当に最強なのか?
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- 2010.04.22:勝海舟が坂本龍馬に伝えたもの
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- 2010.03.25:アップルとユニ・チャーム~変革企業の共通点
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- 2010.02.11:狩猟民族の構想力に学ぼう
- 2010.01.28:農耕営業のススメ
- 2010.01.14:2010年は日本企業のアジア進出元年になる
- 2009.12.31:2009年の携帯とジーンズと餃子
- 2009.12.17:20歳の頃の自分に読ませたい本
- 2009.12.03:日本茶も海外進出している
- 2009.11.19:ダイソンはなぜ売れたのか?
- 2009.11.05:私の考える効率的な営業とは
- 2009.10.22:島田紳助の研究2
- 2009.10.08:フォロワー企業のゲーム
- 2009.09.24:地域密着企業の営業戦術
- 2009.09.10:地域密着企業の経営方法
- 2009.08.27:マクドナルド 一人勝ちの理由
- 2009.08.13:死せる孔明、生ける仲達を走らす
- 2009.07.30:農業は儲かるのか?
- 2009.07.16:キリン、サントリー、アサヒ、オリオン
- 2009.07.02:戦略2、戦術1の法則
- 2009.06.18:いい顧客、悪い顧客
- 2009.06.04:日本で一番大切にしたい会社の戦略
- 2009.05.21:それぞれの「1万時間」を過ごそう
- 2009.05.07:社会起業は一般の起業と何が違うのか?
- 2009.04.23:もし諸葛孔明が経営顧問だったら
- 2009.04.09:物語の力を知ろう
- 2009.03.26:祝!WBC日本代表優勝
- 2009.03.12:小さな池の大きな魚
- 2009.02.26:農業にチャンスあり
- 2009.02.12:機能と情緒--2つの差別化の方法
- 2009.01.29:営業は結果を追ってはいけない
- 2009.01.15:真似したくてもできない事情がある
- 2009.01.01:欲しいものを作ってくれるビジネス
- 2008.12.18:オール・ザット・競争戦略
- 2008.12.04:ゼロ距離を目指す
- 2008.11.20:10/13の市場でビジネスする
- 2008.11.06:ローカルヒーロー花盛り
- 2008.10.23:いい商品を、いい人から、安い値段で買いたい
- 2008.10.09:経営で必要な知恵はすべて三国志で学んだ
- 2008.09.25:HONDAが空を飛ぶ!
- 2008.09.11:緊急性にフォーカスせよ!
- 2008.08.28:楽天グループ迷走す
- 2008.08.14:エコカー開発競争
- 2008.07.31:儲けるための仕組みを作ろう
- 2008.07.17:「黒船」iPhoneの衝撃
- 2008.07.03:野球は言葉でするもんや
- 2008.06.19:大阪の小さなものづくり企業
- 2008.06.05:事業コンセプトにこだわる
- 2008.04.24:黒澤明はなぜ世界進出に失敗したのか?
- 2008.04.10:スタジオアリスに見る市場特化の行方
- 2008.03.13:山形の洋菓子店がフォーカスしたもの
- 2008.02.28:阪神タイガースは獣王無敵か?
- 2008.02.14:薄型テレビ市場2.0 競争の鍵はブランド力か
- 2008.01.31:アシックスの戦略、ナイキの戦略
- 2008.01.17:「日本一の村」改革に挑戦
- 2008.01.03:マネることは差別化の第一歩
- 2007.12.20:駄菓子屋さんの成功要因
- 2007.12.06:P&Gの戦略-強者はこれだけ有利だ
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- 2007.11.08:良いモノを作りさえすれば売れるのか
- 2007.10.25:巨人軍の凋落は止められるか?
- 2007.10.11:"志"が歴史を変えた--三国志に寄せて
- 2007.09.27:縮小するアパレル市場で生き残るには
- 2007.09.13:ハンバーガー帝国興亡の行方は
- 2007.08.30:日本製航空機は羽ばたくか
- 2007.08.16:織田信長はなぜ徳川家康に正室と嫡男の処分を命じたのか
- 2007.08.02:中小企業にとって仕組みとは
- 2007.07.19:島田紳助の研究
- 2007.07.05:最強のビジネスモデルとは何か
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- 2007.06.07:弱者には弱者の販売促進がある
- 2007.05.24:一発逆転を狙ってはいけない
- 2007.05.10:豆腐一丁からビジネスを考える
- 2007.04.26:戦略がなければ生き残れない
- 2007.04.12:飲料業界は激変の予感
- 2007.03.29:経営理念こそ究極の差別化
- 2007.03.27:ホッピーはなぜ復活したのか
- 2007.03.15:引越し業の差別化競争時代
- 2007.03.01:コンビニ 本格競争時代に突入
- 2007.02.15:一人勝ちのワナにはまった松下電器
- 2007.02.01:ワインブームのその後
- 2007.01.18:本業がなくなってしまったら
- 2007.01.04:すべてはデジタル化する
- 2006.12.21:携帯電話版三国志
- 2006.12.07:小さな旅行会社の成功法則
- 2006.11.23:織田信長の戦略
- 2006.11.09:小さな市場に焦点を絞る会社は強い
- 2006.10.26:弱者を貫いて強者となった企業
- 2006.10.12:市場シェアの獲り過ぎに注意
- 2006.09.28:小さな市場でヒットを飛ばす
- 2006.09.14:日本酒市場あれこれ
- 2006.08.31:小さな市場で戦え
- 2006.08.17:もう1つの成長産業
- 2006.08.03:ランチェスター戦略が示すこと
- 2006.07.20:チャンスがあることを皆が知っている市場
- 2006.07.06:商品の意味が変わる時
- 2006.06.22:サッカーW杯にみる「戦略とは」
- 2006.05.25:SMPを意識する
- 2006.05.11:"営業嫌い"は会社の責任だ
- 2006.04.27:営業の分かりやすいコトバとは
- 2006.04.13:残りの80%に富を再配分する
- 2006.03.30:とるに足りない80%
- 2006.03.16:狭く、深く掘り進めれば、視界は開ける
- 2006.03.02:日本の消費者は世界レベルに近づいている
- 2006.02.16:ノウハウを捨てよう!
- 2006.02.02:一番、損になることをしよう
- 2006.01.19:技術系小企業が生き残るには
- 2006.01.05:すでに起こった未来
- 2005.12.22:顧客接点がビジネスの命綱
- 2005.12.08:一点集中戦略の落とし穴
- 2005.11.24:松下電器の一点集中戦略
- 2005.10.27:2005年日本シリーズを斬る
- 2005.10.13:例外に注目せよ
- 2005.10.10:成長の壁を乗り越える
- 2005.09.29:常識を少しずらすとチャンスが生まれる
- 2005.09.15:見えない敵と戦うには
- 2005.09.01:最も怖いのは見えない敵だ
- 2005.08.18:不滅の営業手法
- 2005.07.22:いつまで川原で石を売るのですか?(3)
- 2005.07.07:いつまで川原で石を売るのですか?(2)
- 2005.06.23:いつまで川原で石を売るのですか?(1)
- 2005.06.09:年功序列の市場はもう無い
- 2005.05.26:バーガーキング復活
- 2005.03.03:オニツカ錐もみ商法とは(後編)
- 2005.02.17:オニツカ錐もみ商法とは(前編)
- 2005.02.03:売れないのではなく、売っていないんですよ
- 2005.01.20:中小企業が狙う中国市場とは
- 2005.01.05:常識にとらわれない戦略を戦う
- 2004.12.24:小さな企業は逆転の発想で戦え!
- 2004.12.09:ゲーム型競争時代は終わらない
- 2004.11.11:北欧企業にみるランチェスター戦略
- 2004.11.02:UTADA全米進出失敗を斬る
- 2004.08.22:韓国ドラマ、なぜ人気?
- 2002.09.07:戦略とは見えざるもの
- 2002.09.07:営業をシステムとして把握する
- 2002.09.07:組織営業を導入しよう
- 2002.09.07:SMPメソッドとは
- お客様の声:はじめてのマネジメント入門
2019.07.16 2019年7月16日「はじめてのマネジメント入門」セミナー受講後アンケートの声です。※アンケート回収47名のうち、当セミナーの内容がビジネスに ①大いに役立つ15名、②役立つ31名、③あまり役に立たな...
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