ピコ太郎はなぜ世界を席巻したのか?

2016.11.03

(2016年11月3日メルマガより)


■ピコ太郎なる人物をご存じですかね。

現在、ユーチューブで「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」という曲を歌い踊り、世界を席巻している人物です。

「集計期間1週間での再生数累計は何と1億3400万回再生(関連動画含む)」とか。世界トップです。

参考:ピコ太郎「PPAP」がYouTube動画再生数世界1位、日本人初の快挙
http://www.musicman-net.com/artist/61761.html

ユーチューブ発のヒットは、今に始まったことではありません。

先年は「ラッスンゴレライ」なるリズムネタを流行らせた芸人もいましたっけ。

ただ、今回のヒットはそれどころではありません。世界トップですからね。

韓国のアーティストPsyの「江南スタイル」を彷彿とさせます。

■ちなみにピコ太郎とは、今回の動画を作る際のコードネームみたいなもので、正体はお笑い芸人の古坂大魔王という人らしい。

無名の人のように思えますが、芸人仲間では有名だそうです。楽屋では一番おもしろいのだとか。どうもテレビ向きではないようです。

その人が今回、脚光を浴びたということは何とも喜ばしい。それどころか、世界トップになったというのですから、スケールが違う。

今まで日本人で、一発芸にしろ世界トップに立った人っていました?

まさにインターネット時代の新しい芸人の在り方を示したと言えるのかも知れません。

それにしても、ピコ太郎はいかにして、世界的ヒットをものにしたというのでしょうか。

■結論からいえば、まぐれ当たりでしょう。

そうとしか言えない不思議な現象です。たとえ同じような動画を他の芸人がアップしても、同じようにヒットするとは思えません。

ただ、ピコ太郎の動画は、ユーチューブにアップして2カ月ほどで人気を博し、海外メディアにとりあげられ、さらには世界的ポップミュージシャンのジャスティン・ビーバーが「お気に入り」だとツイッターでつぶやくまでに至りました。

何がヒットの要素なのか?考えてみるのも悪くはないでしょう。

■さて、ピコ太郎の「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」とは、こんな動画です。

参考:PPAP(Pen-Pineapple-Apple-Pen Official)ペンパイナッポーアッポーペン/PIKOTARO(ピコ太郎)
https://www.youtube.com/watch?v=0E00Zuayv9Q

いかがでしょうか?面白いですか?

全員が全員、面白いとはいわないでしょうね。いろいろ聞いてみると、小さな子供は喜んでいるようです。小島よしおの「そんなの関係ねえ!」みたいな感じですかね。

ともあれ、一部の人たちには面白がられて、真似されるに至りました。そうなんですね。真似しやすい。

こんな感じです↓

参考:りかりこもwwミクチャで人気急上昇中!!『ペンパイナッポーアッポーペンPPAP』りかりこ、渡辺リサら可愛い女の子まとめ《ミクチャLOVE2》
https://www.youtube.com/watch?v=2527yFt4wRU

いかがでしょうか。何度も聞いていると、それなりに癖になりませんか。

この真似しやすい。ということと、癖になる。ということがヒットの要素であると考えます。

■音楽性については私はよくわからないのですが、1980年代のテクノポップを意識して作られているらしい。

参考:ピコ太郎「PPAP」なぜ世界的に流行? 古坂大魔王のプロデュース力を探る
http://realsound.jp/2016/10/post-9677.html

古坂大魔王氏は、音楽の造詣も深く、自身が作曲したり、他のアーティストのプロデュースを手掛けたりしています。

だから、今回の曲もしっかりと80年代の音をフィーチャーして作っており、そのレトロさが若い世代に新鮮に映ったのではないか。ということです。

■はっきり言って、内容はゼロ。

ペンとリンゴをくっつけてどうなるということもない。ナンセンスですね。

ただし、一応、英語でできているということが鍵となりました。(荒井注の「ディスイズアペン」みたいな英語ですが)

グローバルに広がって真似されたのは、バカバカしくも、英語で歌っているということなしにはありえなかったはずです。

■とりあえず、まとめると、

(1)真似されやすい。

(2)音楽性がしっかりしている。

(3)英語を使っている。

この3つが、最低限あったということが、ヒットの要素としてあげられます。

■それにしても、なぜこれほど真似されたのか?

気になるのは、この動画を紹介する際によく「中毒性がある」といわれることです。

確かに癖になる=中毒性がある。と私も思います。

もう一度、真似された方の動画を見てみてください。

この短い動画の中に、いろいろな要素が詰め込まれていることがわかります。

〇ところどころ決めポーズがあります。それがアクセントとなっているので、あとは適当にやっていてもそれなりの形になります。だから真似しやすい。

〇決めポーズのところはみな顔を緊張させています。そのあとの踊りでは弛緩しています。そのメリハリが踊っていて楽しい要素となっています。

〇最初の方のセリフは語尾が上がっています。が、最後のセリフは語尾を下げています。それが音としてもストーリーとなっており、起承転結がつくようになっています。

緊張と弛緩のメリハリ、音の上がり下がりというストーリー。こうしたことが、踊っている者はもちろん、聞いている者にもストレス解消に働いているのです。

この動画には中毒性がある。というのはあながちデタラメでもないように思います。

■繰り返しますが、今から同じような動画を作ってユーチューブにアップしたとしても、同じように流行るとは限りません。いや、たぶん、無理でしょう。

しかし、今回の動画に、上の要素がまるでなかったとすれば、真似されることもなく、海外で受け入れられることもなかったに違いありません。それは断言できます。

例えば、ピコ太郎は、こういう動画もアップしています。

参考:Romita Hashimikov(ロミータ・ハシミコフ)/PIKOTARO(ピコ太郎)
https://www.youtube.com/watch?v=QQaJmUe9Ov8

参考:NEO SUNGLASSES(ネオ・サングラス)/PIKOTARO(ピコ太郎)
https://www.youtube.com/watch?v=B6FFfEP-y4E

こちらの方が、面白いと思いません?バカバカしいのは同じでも、はじけ方が違う。

しかし、こちらはどうも真似しにくい。さらにいうと、英語ではない。というのが致命的になっています。

■たとえまぐれ当たりだったにしろ、当たる要素を込めて提供するのと、しないのとでは可能性が断然違います。

これって、営業でも同じですよね。売れる売れないは、ある程度、確率です。その確率を上げるための地道な準備をするかしないかでロングスパンでの成績が大きく変わってしまうという話です。

とまあ、わざわざ営業の話につなげることでもないのですが。

いずれにしろ、ピコ太郎氏の動画からは、今日のヒットの在り方が込められていると感じました。

おそらく、日本の芸人さんたちは、今後いっせいに英語の動画をアップするのではないかと予測します^^

健闘をお祈りいたします。


(2016年11月3日メルマガより)


■ピコ太郎なる人物をご存じですかね。

現在、ユーチューブで「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」という曲を歌い踊り、世界を席巻している人物です。

「集計期間1週間での再生数累計は何と1億3400万回再生(関連動画含む)」とか。世界トップです。

参考:ピコ太郎「PPAP」がYouTube動画再生数世界1位、日本人初の快挙
http://www.musicman-net.com/artist/61761.html

ユーチューブ発のヒットは、今に始まったことではありません。

先年は「ラッスンゴレライ」なるリズムネタを流行らせた芸人もいましたっけ。

ただ、今回のヒットはそれどころではありません。世界トップですからね。

韓国のアーティストPsyの「江南スタイル」を彷彿とさせます。

■ちなみにピコ太郎とは、今回の動画を作る際のコードネームみたいなもので、正体はお笑い芸人の古坂大魔王という人らしい。

無名の人のように思えますが、芸人仲間では有名だそうです。楽屋では一番おもしろいのだとか。どうもテレビ向きではないようです。

その人が今回、脚光を浴びたということは何とも喜ばしい。それどころか、世界トップになったというのですから、スケールが違う。

今まで日本人で、一発芸にしろ世界トップに立った人っていました?

まさにインターネット時代の新しい芸人の在り方を示したと言えるのかも知れません。

それにしても、ピコ太郎はいかにして、世界的ヒットをものにしたというのでしょうか。

■結論からいえば、まぐれ当たりでしょう。

そうとしか言えない不思議な現象です。たとえ同じような動画を他の芸人がアップしても、同じようにヒットするとは思えません。

ただ、ピコ太郎の動画は、ユーチューブにアップして2カ月ほどで人気を博し、海外メディアにとりあげられ、さらには世界的ポップミュージシャンのジャスティン・ビーバーが「お気に入り」だとツイッターでつぶやくまでに至りました。

何がヒットの要素なのか?考えてみるのも悪くはないでしょう。

■さて、ピコ太郎の「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」とは、こんな動画です。

参考:PPAP(Pen-Pineapple-Apple-Pen Official)ペンパイナッポーアッポーペン/PIKOTARO(ピコ太郎)
https://www.youtube.com/watch?v=0E00Zuayv9Q

いかがでしょうか?面白いですか?

全員が全員、面白いとはいわないでしょうね。いろいろ聞いてみると、小さな子供は喜んでいるようです。小島よしおの「そんなの関係ねえ!」みたいな感じですかね。

ともあれ、一部の人たちには面白がられて、真似されるに至りました。そうなんですね。真似しやすい。

こんな感じです↓

参考:りかりこもwwミクチャで人気急上昇中!!『ペンパイナッポーアッポーペンPPAP』りかりこ、渡辺リサら可愛い女の子まとめ《ミクチャLOVE2》
https://www.youtube.com/watch?v=2527yFt4wRU

いかがでしょうか。何度も聞いていると、それなりに癖になりませんか。

この真似しやすい。ということと、癖になる。ということがヒットの要素であると考えます。

■音楽性については私はよくわからないのですが、1980年代のテクノポップを意識して作られているらしい。

参考:ピコ太郎「PPAP」なぜ世界的に流行? 古坂大魔王のプロデュース力を探る
http://realsound.jp/2016/10/post-9677.html

古坂大魔王氏は、音楽の造詣も深く、自身が作曲したり、他のアーティストのプロデュースを手掛けたりしています。

だから、今回の曲もしっかりと80年代の音をフィーチャーして作っており、そのレトロさが若い世代に新鮮に映ったのではないか。ということです。

■はっきり言って、内容はゼロ。

ペンとリンゴをくっつけてどうなるということもない。ナンセンスですね。

ただし、一応、英語でできているということが鍵となりました。(荒井注の「ディスイズアペン」みたいな英語ですが)

グローバルに広がって真似されたのは、バカバカしくも、英語で歌っているということなしにはありえなかったはずです。

■とりあえず、まとめると、

(1)真似されやすい。

(2)音楽性がしっかりしている。

(3)英語を使っている。

この3つが、最低限あったということが、ヒットの要素としてあげられます。

■それにしても、なぜこれほど真似されたのか?

気になるのは、この動画を紹介する際によく「中毒性がある」といわれることです。

確かに癖になる=中毒性がある。と私も思います。

もう一度、真似された方の動画を見てみてください。

この短い動画の中に、いろいろな要素が詰め込まれていることがわかります。

〇ところどころ決めポーズがあります。それがアクセントとなっているので、あとは適当にやっていてもそれなりの形になります。だから真似しやすい。

〇決めポーズのところはみな顔を緊張させています。そのあとの踊りでは弛緩しています。そのメリハリが踊っていて楽しい要素となっています。

〇最初の方のセリフは語尾が上がっています。が、最後のセリフは語尾を下げています。それが音としてもストーリーとなっており、起承転結がつくようになっています。

緊張と弛緩のメリハリ、音の上がり下がりというストーリー。こうしたことが、踊っている者はもちろん、聞いている者にもストレス解消に働いているのです。

この動画には中毒性がある。というのはあながちデタラメでもないように思います。

■繰り返しますが、今から同じような動画を作ってユーチューブにアップしたとしても、同じように流行るとは限りません。いや、たぶん、無理でしょう。

しかし、今回の動画に、上の要素がまるでなかったとすれば、真似されることもなく、海外で受け入れられることもなかったに違いありません。それは断言できます。

例えば、ピコ太郎は、こういう動画もアップしています。

参考:Romita Hashimikov(ロミータ・ハシミコフ)/PIKOTARO(ピコ太郎)
https://www.youtube.com/watch?v=QQaJmUe9Ov8

参考:NEO SUNGLASSES(ネオ・サングラス)/PIKOTARO(ピコ太郎)
https://www.youtube.com/watch?v=B6FFfEP-y4E

こちらの方が、面白いと思いません?バカバカしいのは同じでも、はじけ方が違う。

しかし、こちらはどうも真似しにくい。さらにいうと、英語ではない。というのが致命的になっています。

■たとえまぐれ当たりだったにしろ、当たる要素を込めて提供するのと、しないのとでは可能性が断然違います。

これって、営業でも同じですよね。売れる売れないは、ある程度、確率です。その確率を上げるための地道な準備をするかしないかでロングスパンでの成績が大きく変わってしまうという話です。

とまあ、わざわざ営業の話につなげることでもないのですが。

いずれにしろ、ピコ太郎氏の動画からは、今日のヒットの在り方が込められていると感じました。

おそらく、日本の芸人さんたちは、今後いっせいに英語の動画をアップするのではないかと予測します^^

健闘をお祈りいたします。


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代表者・駒井俊雄が発行するメルマガ「営業は売り子じゃない!」
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