小さな会社が生き残る秘訣は「ニッチであること」その他には...

2016.06.16

(2016年6月16日メルマガより)


■わが国でもそうなんですが、
アメリカでも出版不況は深刻のようです。

今やアメリカの出版物は、ノンフィクションや文芸作品が売れなくなり、代わりに若者を対象にした「ヤングアダルト」作品が存在感を増しているとか。

これって、小説が売れなくなって、マンガが業界を支えている日本の状況に似ているのかもしれませんね。

■そんな不況にあえぐ業界の中でも、したたかに生き残っている小さな出版社は存在している。。という記事がありましたので紹介いたします。

参考:出版不況でもたくましいインディーズ出版社の生き残り術
http://www.newsweekjapan.jp/watanabe/2016/05/post-21.php

記事でとりあげられているのは、大手出版社の傘下に入らずに、独自路線を貫くインディーズ出版と呼ばれる小さな出版社です。

たとえば、シカゴ・レビュー・プレス。

シカゴ大学の学生新聞を端緒とする出版社ですが、大手出版社が手を出さないようなマニアな内容の書籍を多く出版し、自由かつ安定的な運営をしているようです。

あるいは、ハイムバーガー・ハウス。

社長のハイムバーガー氏が14歳の時に始めた出版社で、自身の趣味である「鉄道」に特化した出版物を出しています。

■これらの小さな出版社が、一般人には売れそうにもない本を扱いながら潰れないでいられるのは、そもそもたいして売れなくても食っていけるからです。

つまり小規模ゆえのメリットを最大限生かした経営の姿勢です。

大手出版社なら抱えている従業員が多いので、ある一定の売上規模がなければ維持できません。が、従業員の少ない小さな出版社はシャカリキにならなくても、生きていくことができます。

その代り、大手出版社のように仕事の分業制をとるわけにはいかず、一人の人間が企画・編集・営業・販促なんでもやらなければなりません。

その分、大変だともいえますし、やりがいがあるとも言えますね。

■ところで、この記事に書かれてあるインディーズ出版の「生き残り術」は、ほかのビジネスにも十分応用可能なものであると思います。

生き残り術(1)は、「ニッチであること」

大手企業が手を出さないような小さな市場のことをニッチ市場と呼びます。

確かに需要は小さい。だからこそ競争が少なく、利益を上げやすい市場です。

私のコンサルティングでは「トップ企業であること」を重視します。

既にトップ企業であれば、それを盤石にする。

そうでなければ、トップ企業になることを目標にし、その道筋を作る。

簡単に言ってしまえば、私のコンサルティングは上の二行に集約されます。

■トップ企業になればどんないいことがあるのか?

いろいろありますが、最大のメリットは、生き残る確率が高いこと。です。

好況で業界全体が潤っている時は多くの企業がそこで生きています

が、不況や構造的に業界が縮小していく状況においても、最後まで残るのはトップ企業です。

(しかもトップ企業にはそれまでの蓄えがあることが多いので、違う業界を狙う資源があります)

100年生き残りたければ、トップ企業になれ!という所以です。

■トップ企業なんて一握りやないか!

うちみたいな小さな会社がトップになんかなれるわけない。

拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4827209693/lanchesterkan-22/ref=nosim

をもとにするセミナー会場で、そんな質問を受けたりすることもあります。

気持ちはわかります。が、そんな感想に対する答えが「ニッチであること」です。

ニッチであればあるほど、ライバル会社は少なくなります。

その少ない会社の中でトップになればいいのです。どんな会社にだってできるはずです。

大手企業には手を出せないが、自社の規模でなら十分な規模の市場でトップとなる。

それがニッチ市場を狙う意味ですね。

■生き残り術(2)は、「寿命の長いビジネスをする」

アメリカのインディーズ出版を扱った記事の中では「寿命の長い本を出版する」と書かれていますが、ちょっと書き換えました。

大当たりを狙うのは違う。というのはわかっていただけたと思います。

小当たりでもいいのですが、それが一瞬のブームで終わってしまえば、生き残ることはできません。

できれば、定番としてコンスタントに売れ続けるビジネスでありたい。

それが「寿命の長いビジネス」です。

■寿命が長いビジネスですから、流行りものではありません。

バズワードやトレンドに迷わされてはなりません。

数年で消えてしまうようなバブル市場に入っていくのは論外ですが、ここでいう「寿命の長いビジネス」とは、それだけではなく、ビジネスの組み立て方のことだと考えるべきでしょう。

自分が選んだ市場において、100年続くビジネスをするためには、安定した顧客層選び、営業の決まり事、リピーターを作る工夫が必要になります。

これが、私のいう「売る仕組み」です。

売る仕組みなくして、生き残ることなどできません。

その信条をもって、私はコンサルティングに取り組んでいます。

■生き残り術(3)は、「営業すること」です。

ここ、重要です。

私は製造業のコンサルティングをすることが多いのですが、「モノがよければ売れるはず」と考えている方はいまだにおられます。

あるいは、元請け会社の調達係とは仲良くしている。

あるいは、信頼できる商社とつきあっている。

そんな程度で、営業をやっていると仰る方のなんと多いことか。

■そんなもの営業ではありません。

アメリカのインディーズ出版会社もここが生命線です。

彼らは、取次業者などを信用せずに、直接本屋に営業に回っています。

売れなければ何の価値もない。というのが、ビジネスの世界です。

その最後のピースである営業に力を入れずに、どうやって価値を生むのでしょうか。

■私は、企業の最大の資源は「顧客基盤」であると考えています。

信頼してくれる顧客がいる。常に安心してつきあってくれる顧客がいる。

そんな顧客を一人でも多く作り、ファンとなってもらい、強固な基盤としていく。

それが営業の役割です。

つまり営業は、常に最終顧客に近いところで活動しなければなりません。

仲介業者の機嫌をとって、任せているだけでは、顧客基盤など作れるはずがありません。

当てはまる会社は、いますぐ営業組織を立ち上げて、営業に力を入れてください。

■思えば、少子高齢化が進む現在、どの業界も軒並み縮小傾向にあります。

いや、こんな時代でも成長市場はある!といわれるのにも一理あります。

が、現実的には、どの会社も縮小市場において、どうやって生き残っていこうかと悩んでいることでしょう。

そんな時、「ニッチであること」「寿命の長いビジネスをすること」「営業をすること」は、シンプルですが、役に立つ指針だと考えます。

少なくとも「戦略はシンプルに、実行はクレイジーに」が信条の私は、こうしたシンプルなポイントを守りながら、クレイジーに実行していきたいと考えています。

これからも生き残っていきたいと思っておりますので(^^)



(2016年6月16日メルマガより)


■わが国でもそうなんですが、
アメリカでも出版不況は深刻のようです。

今やアメリカの出版物は、ノンフィクションや文芸作品が売れなくなり、代わりに若者を対象にした「ヤングアダルト」作品が存在感を増しているとか。

これって、小説が売れなくなって、マンガが業界を支えている日本の状況に似ているのかもしれませんね。

■そんな不況にあえぐ業界の中でも、したたかに生き残っている小さな出版社は存在している。。という記事がありましたので紹介いたします。

参考:出版不況でもたくましいインディーズ出版社の生き残り術
http://www.newsweekjapan.jp/watanabe/2016/05/post-21.php

記事でとりあげられているのは、大手出版社の傘下に入らずに、独自路線を貫くインディーズ出版と呼ばれる小さな出版社です。

たとえば、シカゴ・レビュー・プレス。

シカゴ大学の学生新聞を端緒とする出版社ですが、大手出版社が手を出さないようなマニアな内容の書籍を多く出版し、自由かつ安定的な運営をしているようです。

あるいは、ハイムバーガー・ハウス。

社長のハイムバーガー氏が14歳の時に始めた出版社で、自身の趣味である「鉄道」に特化した出版物を出しています。

■これらの小さな出版社が、一般人には売れそうにもない本を扱いながら潰れないでいられるのは、そもそもたいして売れなくても食っていけるからです。

つまり小規模ゆえのメリットを最大限生かした経営の姿勢です。

大手出版社なら抱えている従業員が多いので、ある一定の売上規模がなければ維持できません。が、従業員の少ない小さな出版社はシャカリキにならなくても、生きていくことができます。

その代り、大手出版社のように仕事の分業制をとるわけにはいかず、一人の人間が企画・編集・営業・販促なんでもやらなければなりません。

その分、大変だともいえますし、やりがいがあるとも言えますね。

■ところで、この記事に書かれてあるインディーズ出版の「生き残り術」は、ほかのビジネスにも十分応用可能なものであると思います。

生き残り術(1)は、「ニッチであること」

大手企業が手を出さないような小さな市場のことをニッチ市場と呼びます。

確かに需要は小さい。だからこそ競争が少なく、利益を上げやすい市場です。

私のコンサルティングでは「トップ企業であること」を重視します。

既にトップ企業であれば、それを盤石にする。

そうでなければ、トップ企業になることを目標にし、その道筋を作る。

簡単に言ってしまえば、私のコンサルティングは上の二行に集約されます。

■トップ企業になればどんないいことがあるのか?

いろいろありますが、最大のメリットは、生き残る確率が高いこと。です。

好況で業界全体が潤っている時は多くの企業がそこで生きています

が、不況や構造的に業界が縮小していく状況においても、最後まで残るのはトップ企業です。

(しかもトップ企業にはそれまでの蓄えがあることが多いので、違う業界を狙う資源があります)

100年生き残りたければ、トップ企業になれ!という所以です。

■トップ企業なんて一握りやないか!

うちみたいな小さな会社がトップになんかなれるわけない。

拙著『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4827209693/lanchesterkan-22/ref=nosim

をもとにするセミナー会場で、そんな質問を受けたりすることもあります。

気持ちはわかります。が、そんな感想に対する答えが「ニッチであること」です。

ニッチであればあるほど、ライバル会社は少なくなります。

その少ない会社の中でトップになればいいのです。どんな会社にだってできるはずです。

大手企業には手を出せないが、自社の規模でなら十分な規模の市場でトップとなる。

それがニッチ市場を狙う意味ですね。

■生き残り術(2)は、「寿命の長いビジネスをする」

アメリカのインディーズ出版を扱った記事の中では「寿命の長い本を出版する」と書かれていますが、ちょっと書き換えました。

大当たりを狙うのは違う。というのはわかっていただけたと思います。

小当たりでもいいのですが、それが一瞬のブームで終わってしまえば、生き残ることはできません。

できれば、定番としてコンスタントに売れ続けるビジネスでありたい。

それが「寿命の長いビジネス」です。

■寿命が長いビジネスですから、流行りものではありません。

バズワードやトレンドに迷わされてはなりません。

数年で消えてしまうようなバブル市場に入っていくのは論外ですが、ここでいう「寿命の長いビジネス」とは、それだけではなく、ビジネスの組み立て方のことだと考えるべきでしょう。

自分が選んだ市場において、100年続くビジネスをするためには、安定した顧客層選び、営業の決まり事、リピーターを作る工夫が必要になります。

これが、私のいう「売る仕組み」です。

売る仕組みなくして、生き残ることなどできません。

その信条をもって、私はコンサルティングに取り組んでいます。

■生き残り術(3)は、「営業すること」です。

ここ、重要です。

私は製造業のコンサルティングをすることが多いのですが、「モノがよければ売れるはず」と考えている方はいまだにおられます。

あるいは、元請け会社の調達係とは仲良くしている。

あるいは、信頼できる商社とつきあっている。

そんな程度で、営業をやっていると仰る方のなんと多いことか。

■そんなもの営業ではありません。

アメリカのインディーズ出版会社もここが生命線です。

彼らは、取次業者などを信用せずに、直接本屋に営業に回っています。

売れなければ何の価値もない。というのが、ビジネスの世界です。

その最後のピースである営業に力を入れずに、どうやって価値を生むのでしょうか。

■私は、企業の最大の資源は「顧客基盤」であると考えています。

信頼してくれる顧客がいる。常に安心してつきあってくれる顧客がいる。

そんな顧客を一人でも多く作り、ファンとなってもらい、強固な基盤としていく。

それが営業の役割です。

つまり営業は、常に最終顧客に近いところで活動しなければなりません。

仲介業者の機嫌をとって、任せているだけでは、顧客基盤など作れるはずがありません。

当てはまる会社は、いますぐ営業組織を立ち上げて、営業に力を入れてください。

■思えば、少子高齢化が進む現在、どの業界も軒並み縮小傾向にあります。

いや、こんな時代でも成長市場はある!といわれるのにも一理あります。

が、現実的には、どの会社も縮小市場において、どうやって生き残っていこうかと悩んでいることでしょう。

そんな時、「ニッチであること」「寿命の長いビジネスをすること」「営業をすること」は、シンプルですが、役に立つ指針だと考えます。

少なくとも「戦略はシンプルに、実行はクレイジーに」が信条の私は、こうしたシンプルなポイントを守りながら、クレイジーに実行していきたいと考えています。

これからも生き残っていきたいと思っておりますので(^^)



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