それぞれの「1万時間」を過ごそう

2009.05.21

(2009年5月21日メルマガより)

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■最近読んだ本の中で印象に残ったのが、こちらです。

コンサルタントの習慣術 頭を鍛える「仕組み」をつくれ (朝日新書)
野口吉昭著。

著者は、何作も著書がある有名なコンサルタントです。他の本も数冊読んだ
ことがありますが、テーマへのアプローチが正攻法で、私が言うのも何です
が「まとも」な方です。様々なテーマについて、誠実に体系的に提示してく
れるので、教科書のように使えて重宝しています。

今回は新書ですので、わりあいラフな作り方になっているようですが、その
分、随所から「気づき」をもらえるようになっています。

■この本の冒頭は「一流になるための条件」を紹介しています。

一流と言われる人たち。イチローにしろ、羽生義治にしろ、浅田真央にしろ、
一流と言われる人たちと平凡な人たちの間には、どのような違いがあるのか。

ある方が、様々な業界の一流と評価される人々を調査したところ、彼らには、
例外なく、ある共通の過去があったのだそうです。

何だと思いますか?

もったいぶっても仕方ないですね。

実は、彼らは、例外なく、そのことだけに集中して努力した時間を「1万時
間」持っているのだそうです。

1万時間ですよ。1日3時間としても9年以上かかります。1日2時間なら、
13年以上。気の遠くなる時間です。

■そう言えば、先日テレビで「子供の適性を見つけるためにいろいろやらせ
てはいけない。いろいろやらせる行為自体が、可能性を狭めてしまう」と主
張している方がおられました。

野口氏の著作でも「ピアニストの遺伝子も、棋士の遺伝子も存在しない」と
述べられています。

彼らはもともと才能があったのではなく、その道で優れた存在になるために
「1万時間」継続した努力をしたからこそ、一流になることができたのだと
いうことです。

■1万時間というのは、勢いや気合いで何とかなる時間ではありません。

私のように納期ぎりぎりにならないとやらない性格の者には、遠い時間です
な^^;

だからこそ、その道で優れた者になるための努力を「習慣」にしなければ、
1万時間を過ごすことはできないというのが、この著作の主張です。

全くその通り。全面的に賛同いたします。

■ちなみにこの本では、習慣化するためのコツを

1.何になりたいのかを明確にして、そこに至る道を「見える化」する。

2.常に前倒しで準備しておき、決めたことを実行できるようにする。

3.決めたことは愚直に実行する。

と書いています。もちろん、そのための細かな工夫やノウハウについて、そ
の後、書かれているわけです。

■話は少し変わります。

先日、CS放送を観ていると「日本発の価値創造」という番組をやっていま
した。

これは大前研一氏が主催する「BBT757」とい
う有料放送の一環です。24時間、経営に関する番組ばかりやっているとい
うマニアックなチャンネルですが、本当に素晴らしい内容が多い。私は、も
う5年以上、この放送を視聴していますが、一番リターンが大きい投資(年
間21万円程度)だと思っています。

■さて、この「日本発の価値創造」です。私は自社の社名がクリエート・バ
リューであることもあり、価値創造には敏感ですから^^早速観てみました。

これは、その番組名の通り、日本企業だからできる価値創造のあり方を紹介
する番組です。

この番組の問題意識は「グローバル化に対応することは本当に有用なのだろ
うか?」というところから来ています。

確かに、日本市場は縮小する傾向にありますから、海外市場に活路を求める
ことが必要であることは理解できます。

だが、競争戦略の観点から言うと、グローバル化という名のもとに、海外標
準に適応してしまうことは、同質化を招いてしまう恐れがあります。

本来、弱者は、先行する強者とは差別化をしなければならないのです。

海外企業に合わせてしまうことは、日本企業の強みを消し去ることにならな
いだろうか。

■この番組で紹介されていたのが、アキュフェーズ株式会社です。

こちらは上場していないローカル企業ですが、ある特定の分野では非常に有
名です。

この会社が扱っているのが、オーディオ機器です。しかも超高級。アンプ一
つが100万円以上したりします。

アキュフェーズは、高級オーディオ機器に特化した製造メーカーです。さら
に、主要商品をアンプに絞っています。

あらゆるプレーヤーやスピーカーとも合うようにアンプを設計しており、ア
ンプの性能に関しては、どの会社にも負けないという自負を持っているよう
です。

■知る人ぞ知る。音楽が好きな人、音にこだわる人には有名なメーカーです。

特にドイツで人気が高く、最も信頼性の高いメーカーとして評価されていま
す。

海外における売上が、全体の3分の1。グローバル企業じゃないか、と思わ
れそうですが、実際には、全く売り込みなどしていないようです。それどこ
ろか、単純に日本の価格に流通経費を乗せた価格で販売しているだけ。それ
で、海外の売上が大きいというのは脅威ですね。

■この企業の特徴は、ひたすら質を追い、規模を追求しないこと。

量を追えば、価格競争に巻き込まれ、莫大な設備投資を迫られます。売上は
上がっても、実入りは少ないという大企業が多い中で、アキュフェーズは、
小さいながらも健全な財務体質を保っています。

中小企業にとっては垂涎の的といっていいでしょう。

イタリアには、規模を追わずに、悠々と健全経営を続ける家族経営の会社が
多いと聞きますが、アキュフェーズもひけをとりません。

どうすれば、このような会社になれるのでしょうか。

■アキュフェーズはもともとトリオ(現ケンウッド)の創業者が「技術者が
作りたいものを作らせてやろう」という考えで始めた会社のようです。

高度成長期に入って、上場している各メーカーが規模を追わざるを得なくな
った時、質を犠牲にしなければならない状況に我慢ならなかった技術者が多
くいたようです。

そんな彼らの思いを叶えるために作った会社。だから、質の追求は、会社の
DNAそのものだというわけですね。

■私はこの番組を観て、ニッチ企業が成立する3つの条件ということを考え
ました。

1つは、まさに「究極ともいえる質の追求」です。

ゲリラ的に儲けてすぐに止めるなら、隙をついた安売りもいいのでしょうが、
10年、20年続けるつもりならば、質の追求は欠かせません。

でも、中途半端はだめです。あの会社でしか無理だ。あの会社が言うならそ
の通りだろう。といわれるまで徹底しなければなりません。その分野での最
高水準を決める会社になるわけです。

アキュフェーズは、過剰なまでに品質にこだわり、結果として高い価格をつ
けざるを得ないものを製造しています。

それでも最高水準にはプレミアムをつけても払おうという顧客が存在します。

例えばドイツの音響の専門家たちは、アキュフェーズのアンプを使って、プ
レーヤーや、スピーカーの性能をチェックしているそうです。専門家の基準
ツールとして使用されているのです。

こうした成熟した先進国には、プレミアム需要があるということです。日本
にいるならば、日本のプレミアム需要をターゲットにしてはいかがでしょう
か。足元の顧客を狙うことは、弱者の戦略の一つでもあります。

ただし、漠然とした最高品質は現実味がありません。コツは、狭い範囲に焦
点を絞ること。一点集中主義です。

先ほども述べたようにアキュフェーズは、アンプに焦点を絞っています。ア
ンプに関しては責任を持つという姿勢です。

どこに焦点を絞るか。それが、各企業のオリジナルであり、最初の戦略的行
動となります。

■2つ目が「横展開ではなく、縦展開の追求」です。

量より時間の追求と言い換えてもいいでしょう。

どういうことかと言うと、一人の顧客にとことん奉仕するという姿勢です。

100万円以上するアンプを買う人を広告で集めることは現実的ではありま
せん。

むしろ満足した顧客の口コミにより広がっていくことを考えることが自然で
す。

何としても現有の顧客に満足してもらい感動してもらわなければならないわ
けです。

例えば、通常、商品の製造が終了したら、5~7年程度で部品のストックも
なくして、修理対応できなくなるようですが、アキュフェーズの場合、部品
は出来る限りストックしておき、とことんまで修理に応じるという体制をと
っています。社長によると「ライフタイム修理」というわけです。

また商品のデザインもあまり変えずにイメージが古くならないように気を遣
っています。10年後に関連商品を買い足したとしても、互換性があるだけ
ではなく、商品イメージも合致するように配慮しているのだそうです。

要するに、一度顧客になった方には、ライフタイムでお付き合いいただきま
す、という姿勢です。

ウィキペディアによると、商品を購入した人には社長からの丁寧な礼状がつ
いているそうですし、一度購入した方には、会社からの年賀状が毎年届くそ
うです。

■いかがでしょうか。一点に集中し、やるからには徹底せよ。

冒頭の言葉で言うと「1万時間」を過ごした企業だけが、その分野で独り立
ちできるという考えです。

私がコンサルティングした企業の場合も、成果が出る出ないは、最終的には
やり抜けるかどうかです。

やり抜くための工夫を提供させてはいただきますが、最終的な実行はクライ
アント企業に委ねられます。

これがコンサルティングの最ももどかしいところであり、また、人のやる気
に寄り添うという意味で面白いところでもあります。

■アキュフェーズの場合、高級オーディオという小さな市場に特化し、その
中でさらにアンプのみに特化、あとは一点集中してひたすら品質の追求と顧
客へ報いることを続けてきました。

グローバル市場に適応するだけが、生き残る道ではないことをこの事例が示
しています。

成熟市場には成熟市場なりの需要があることをもう一度見直さなければなり
ませんね。

■最後の1つ。3つ目は、意外かも知れませんが「財務へのこだわり」です。

上記2つを掲げながら、消えていく企業が多いのは、それぞれへの取り組み
が中途半端であることも理由でしょうが、最も大きいのは財務に無頓着な企
業が多いことです。

商品にとことんこだわるのは大切なのですが、こだわるあまり、資金繰りに
窮してしまえば元も子もありません。

品質を犠牲にしてまで儲けよとは言いません。破綻をしないように財務のバ
ランスをとらなければならないと言うのです。

アキュフェーズは、経常利益10%、自己資本比率70%以上の会社です。

儲かるニッチビジネスには、健全な財務バランスが欠かせません。

当たり前のことですが、意外に忘れがちなのではないでしょうか。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■「コンサルタントの習慣術」には目標を立てることの重要性が書かれてい
ます。

何をするにしても、何になるにしても、「どういう存在になりたいか」「ど
ういう存在でありたいか」を明確に意識しなければ、努力することができま
せん。

■また、同じことを見ても、「ものすごく参考になった」という人と、「知
っていることばかりでつまらなかった」という人がいます。

これは、知識の差であるというよりも、問題意識を持っているかどうかの差
であると言えます。

つまり、目標を持っている人は、何を見ても「目標に対して、参考になる」
という視点を持つ。逆にのほほんと過ごす人は、やり過ごしてしまうわけで
す。

(実際に、知識のない人ほど「知っていることばかりだ」と言う傾向がある
そうです)

■私自身、次の目標を立てようとしているところでしたので、とても参考に
なった本でした。


(2009年5月21日メルマガより)

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■最近読んだ本の中で印象に残ったのが、こちらです。

コンサルタントの習慣術 頭を鍛える「仕組み」をつくれ (朝日新書)
野口吉昭著。

著者は、何作も著書がある有名なコンサルタントです。他の本も数冊読んだ
ことがありますが、テーマへのアプローチが正攻法で、私が言うのも何です
が「まとも」な方です。様々なテーマについて、誠実に体系的に提示してく
れるので、教科書のように使えて重宝しています。

今回は新書ですので、わりあいラフな作り方になっているようですが、その
分、随所から「気づき」をもらえるようになっています。

■この本の冒頭は「一流になるための条件」を紹介しています。

一流と言われる人たち。イチローにしろ、羽生義治にしろ、浅田真央にしろ、
一流と言われる人たちと平凡な人たちの間には、どのような違いがあるのか。

ある方が、様々な業界の一流と評価される人々を調査したところ、彼らには、
例外なく、ある共通の過去があったのだそうです。

何だと思いますか?

もったいぶっても仕方ないですね。

実は、彼らは、例外なく、そのことだけに集中して努力した時間を「1万時
間」持っているのだそうです。

1万時間ですよ。1日3時間としても9年以上かかります。1日2時間なら、
13年以上。気の遠くなる時間です。

■そう言えば、先日テレビで「子供の適性を見つけるためにいろいろやらせ
てはいけない。いろいろやらせる行為自体が、可能性を狭めてしまう」と主
張している方がおられました。

野口氏の著作でも「ピアニストの遺伝子も、棋士の遺伝子も存在しない」と
述べられています。

彼らはもともと才能があったのではなく、その道で優れた存在になるために
「1万時間」継続した努力をしたからこそ、一流になることができたのだと
いうことです。

■1万時間というのは、勢いや気合いで何とかなる時間ではありません。

私のように納期ぎりぎりにならないとやらない性格の者には、遠い時間です
な^^;

だからこそ、その道で優れた者になるための努力を「習慣」にしなければ、
1万時間を過ごすことはできないというのが、この著作の主張です。

全くその通り。全面的に賛同いたします。

■ちなみにこの本では、習慣化するためのコツを

1.何になりたいのかを明確にして、そこに至る道を「見える化」する。

2.常に前倒しで準備しておき、決めたことを実行できるようにする。

3.決めたことは愚直に実行する。

と書いています。もちろん、そのための細かな工夫やノウハウについて、そ
の後、書かれているわけです。

■話は少し変わります。

先日、CS放送を観ていると「日本発の価値創造」という番組をやっていま
した。

これは大前研一氏が主催する「BBT757」とい
う有料放送の一環です。24時間、経営に関する番組ばかりやっているとい
うマニアックなチャンネルですが、本当に素晴らしい内容が多い。私は、も
う5年以上、この放送を視聴していますが、一番リターンが大きい投資(年
間21万円程度)だと思っています。

■さて、この「日本発の価値創造」です。私は自社の社名がクリエート・バ
リューであることもあり、価値創造には敏感ですから^^早速観てみました。

これは、その番組名の通り、日本企業だからできる価値創造のあり方を紹介
する番組です。

この番組の問題意識は「グローバル化に対応することは本当に有用なのだろ
うか?」というところから来ています。

確かに、日本市場は縮小する傾向にありますから、海外市場に活路を求める
ことが必要であることは理解できます。

だが、競争戦略の観点から言うと、グローバル化という名のもとに、海外標
準に適応してしまうことは、同質化を招いてしまう恐れがあります。

本来、弱者は、先行する強者とは差別化をしなければならないのです。

海外企業に合わせてしまうことは、日本企業の強みを消し去ることにならな
いだろうか。

■この番組で紹介されていたのが、アキュフェーズ株式会社です。

こちらは上場していないローカル企業ですが、ある特定の分野では非常に有
名です。

この会社が扱っているのが、オーディオ機器です。しかも超高級。アンプ一
つが100万円以上したりします。

アキュフェーズは、高級オーディオ機器に特化した製造メーカーです。さら
に、主要商品をアンプに絞っています。

あらゆるプレーヤーやスピーカーとも合うようにアンプを設計しており、ア
ンプの性能に関しては、どの会社にも負けないという自負を持っているよう
です。

■知る人ぞ知る。音楽が好きな人、音にこだわる人には有名なメーカーです。

特にドイツで人気が高く、最も信頼性の高いメーカーとして評価されていま
す。

海外における売上が、全体の3分の1。グローバル企業じゃないか、と思わ
れそうですが、実際には、全く売り込みなどしていないようです。それどこ
ろか、単純に日本の価格に流通経費を乗せた価格で販売しているだけ。それ
で、海外の売上が大きいというのは脅威ですね。

■この企業の特徴は、ひたすら質を追い、規模を追求しないこと。

量を追えば、価格競争に巻き込まれ、莫大な設備投資を迫られます。売上は
上がっても、実入りは少ないという大企業が多い中で、アキュフェーズは、
小さいながらも健全な財務体質を保っています。

中小企業にとっては垂涎の的といっていいでしょう。

イタリアには、規模を追わずに、悠々と健全経営を続ける家族経営の会社が
多いと聞きますが、アキュフェーズもひけをとりません。

どうすれば、このような会社になれるのでしょうか。

■アキュフェーズはもともとトリオ(現ケンウッド)の創業者が「技術者が
作りたいものを作らせてやろう」という考えで始めた会社のようです。

高度成長期に入って、上場している各メーカーが規模を追わざるを得なくな
った時、質を犠牲にしなければならない状況に我慢ならなかった技術者が多
くいたようです。

そんな彼らの思いを叶えるために作った会社。だから、質の追求は、会社の
DNAそのものだというわけですね。

■私はこの番組を観て、ニッチ企業が成立する3つの条件ということを考え
ました。

1つは、まさに「究極ともいえる質の追求」です。

ゲリラ的に儲けてすぐに止めるなら、隙をついた安売りもいいのでしょうが、
10年、20年続けるつもりならば、質の追求は欠かせません。

でも、中途半端はだめです。あの会社でしか無理だ。あの会社が言うならそ
の通りだろう。といわれるまで徹底しなければなりません。その分野での最
高水準を決める会社になるわけです。

アキュフェーズは、過剰なまでに品質にこだわり、結果として高い価格をつ
けざるを得ないものを製造しています。

それでも最高水準にはプレミアムをつけても払おうという顧客が存在します。

例えばドイツの音響の専門家たちは、アキュフェーズのアンプを使って、プ
レーヤーや、スピーカーの性能をチェックしているそうです。専門家の基準
ツールとして使用されているのです。

こうした成熟した先進国には、プレミアム需要があるということです。日本
にいるならば、日本のプレミアム需要をターゲットにしてはいかがでしょう
か。足元の顧客を狙うことは、弱者の戦略の一つでもあります。

ただし、漠然とした最高品質は現実味がありません。コツは、狭い範囲に焦
点を絞ること。一点集中主義です。

先ほども述べたようにアキュフェーズは、アンプに焦点を絞っています。ア
ンプに関しては責任を持つという姿勢です。

どこに焦点を絞るか。それが、各企業のオリジナルであり、最初の戦略的行
動となります。

■2つ目が「横展開ではなく、縦展開の追求」です。

量より時間の追求と言い換えてもいいでしょう。

どういうことかと言うと、一人の顧客にとことん奉仕するという姿勢です。

100万円以上するアンプを買う人を広告で集めることは現実的ではありま
せん。

むしろ満足した顧客の口コミにより広がっていくことを考えることが自然で
す。

何としても現有の顧客に満足してもらい感動してもらわなければならないわ
けです。

例えば、通常、商品の製造が終了したら、5~7年程度で部品のストックも
なくして、修理対応できなくなるようですが、アキュフェーズの場合、部品
は出来る限りストックしておき、とことんまで修理に応じるという体制をと
っています。社長によると「ライフタイム修理」というわけです。

また商品のデザインもあまり変えずにイメージが古くならないように気を遣
っています。10年後に関連商品を買い足したとしても、互換性があるだけ
ではなく、商品イメージも合致するように配慮しているのだそうです。

要するに、一度顧客になった方には、ライフタイムでお付き合いいただきま
す、という姿勢です。

ウィキペディアによると、商品を購入した人には社長からの丁寧な礼状がつ
いているそうですし、一度購入した方には、会社からの年賀状が毎年届くそ
うです。

■いかがでしょうか。一点に集中し、やるからには徹底せよ。

冒頭の言葉で言うと「1万時間」を過ごした企業だけが、その分野で独り立
ちできるという考えです。

私がコンサルティングした企業の場合も、成果が出る出ないは、最終的には
やり抜けるかどうかです。

やり抜くための工夫を提供させてはいただきますが、最終的な実行はクライ
アント企業に委ねられます。

これがコンサルティングの最ももどかしいところであり、また、人のやる気
に寄り添うという意味で面白いところでもあります。

■アキュフェーズの場合、高級オーディオという小さな市場に特化し、その
中でさらにアンプのみに特化、あとは一点集中してひたすら品質の追求と顧
客へ報いることを続けてきました。

グローバル市場に適応するだけが、生き残る道ではないことをこの事例が示
しています。

成熟市場には成熟市場なりの需要があることをもう一度見直さなければなり
ませんね。

■最後の1つ。3つ目は、意外かも知れませんが「財務へのこだわり」です。

上記2つを掲げながら、消えていく企業が多いのは、それぞれへの取り組み
が中途半端であることも理由でしょうが、最も大きいのは財務に無頓着な企
業が多いことです。

商品にとことんこだわるのは大切なのですが、こだわるあまり、資金繰りに
窮してしまえば元も子もありません。

品質を犠牲にしてまで儲けよとは言いません。破綻をしないように財務のバ
ランスをとらなければならないと言うのです。

アキュフェーズは、経常利益10%、自己資本比率70%以上の会社です。

儲かるニッチビジネスには、健全な財務バランスが欠かせません。

当たり前のことですが、意外に忘れがちなのではないでしょうか。

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■「コンサルタントの習慣術」には目標を立てることの重要性が書かれてい
ます。

何をするにしても、何になるにしても、「どういう存在になりたいか」「ど
ういう存在でありたいか」を明確に意識しなければ、努力することができま
せん。

■また、同じことを見ても、「ものすごく参考になった」という人と、「知
っていることばかりでつまらなかった」という人がいます。

これは、知識の差であるというよりも、問題意識を持っているかどうかの差
であると言えます。

つまり、目標を持っている人は、何を見ても「目標に対して、参考になる」
という視点を持つ。逆にのほほんと過ごす人は、やり過ごしてしまうわけで
す。

(実際に、知識のない人ほど「知っていることばかりだ」と言う傾向がある
そうです)

■私自身、次の目標を立てようとしているところでしたので、とても参考に
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