起業で成功する人の4つの特徴

2021.08.19


(2021年8月19日メルマガより)



今回も起業に関する話です。

多くの起業希望者と集中的に接していると、起業して成功しそうな人、厳しい人が何となくわかります。

最初の感覚と、その後の起業してからの活躍をみていると、合っていることが多いので、それなりに正しい感覚なのかと自分では思っています。

私なんぞが偉そうに言うことではありませんが、やはり、数を重ねると、そういう目利き力みたいなものが、備わってくるとお考えください。


起業を成功させる4つのポイント


感覚というと、言葉にするのが難しいですね。

ただ、そんな難しい話ではありません。きっと、誰でも、多くの人と接しているとわかるようになりますよ。

今回は、そんな私の感覚を、4つのポイントでご紹介したいと思います。

たった4つです。そんな少なくていいんかいと思われるかもしれませんが、いろいろ考えてみて、この4つに絞りました。

そのほかにもあるかもしれませんが、とりあえず、この4つは重要なポイントです。

少なくとも、私は、これが重要だとみていますので、これから起業したいとお考えの方は、一度、確認してみてください。


起業してからのことを見てきたように描写できる


まず、起業してある程度まで実現できる方は、やる前から、明白なイメージをお持ちです。

イメージが明確で、見てきたように描写できる人ほど、その後、実際に実現できる人が多いと思います。

飲食店を始めるなら、どの場所で、どのような雰囲気の内装で、何席ぐらいで、従業員は何人で...と、頭に思い浮かべ、語ることができます。

商社を始めるなら、顧客はどの会社で、どの仕入先からどのように仕入れて、どの順番で営業回りをするか...

小売りをするなら、どんな商品を、どのように陳列して、お客様の入りはどれぐらいで...など。

おそらく、今やっている仕事の延長上に起業される方は、イメージが明白になりやすいことでしょう。実際、今の仕事に関連した起業をされる方は、実現性が高くなります。

逆に、知らない業種にチャレンジする方は、要注意です。その仕事の裏側の見えない部分などがイメージできない場合があります。

いざ始めようとして、思ったよりも難しかったとか、あてが外れたとか、よく聞く話です。そうならないように、事前によく調べておかなければならないのですが、起業者は根拠のない自信でワクワク感に囚われている人が多いので、事前の調査を疎かにしがちです。

商品はどこで作るのか、仕入れルートは確保しているのか、店舗の場所は確保しているのか、家賃はいくらぐらいか、集客はどのようにするのか...など、細かい部分をしつこく聞いていくと、自分の夢を否定されたような気がするのか、逆切れしてしまう人もいます。そんな人は論外なのですが、実現性のない期待だけで舞い上がっている人は多いんですよ。

「やってみなければわからないことがいいっぱいある」というのは事実ですが、それをこれから起業しようとする人が言ってはダメです。

実現する人は、始める前から、相当程度の細部までイメージし、シミュレーションしています。


「勝てる場所で戦う」「仕組みを作って回す」ということが理解できる


やはり成功する人は、それなりに頭がいいと感じます。

無茶苦茶、頭が切れる、とまではいかなくても、戦略を理解し、それを自分で組み立てる能力は必要です。

勢いで起業して、運よく、顧客を掴んだ、という人がいるのは確かです。そういう成功者は、起業すれば何とかなる、とか、運をつかむ習慣が功を奏した、なんて実感を込めて語るので厄介です。

こうした自分の実績を客観視できない成功者の言うことを聞いてはいけません。真に受けて起業するのは、運ゲーに身を任せるようなものです。

冷静にみて、事業を成立させるためには、一定の顧客に支持されながら、競争相手につぶされないことが必須です。そのためには、自分の特長を理解したうえで、競争状況を確認し、充分に勝算のある市場で起業することが必要です。

いわゆる「勝てる市場で戦う」という工夫です。これが、戦略を作る意味です。

さらに事業を維持するためには、毎日毎日、行き当たりばったりにならず、習慣的な行動をするだけで、事業が回るようにしなければなりません。

これが「仕組みを作って回す」ということです。

つまり、起業して、それなりに事業を維持するためには、戦略を作り、仕組みを組み立て、実行することが必要だということです。

私のセミナーや研修のテーマの多くは、戦略と仕組みに関することです。またこのメルマガでもしばしばとりあげているのは、まさにそのことです。

決して複雑で難解なことを言っているわけではありません。つまるところ、「勝てる市場を選び」「仕組みを作って回す」と言っているだけです。

ところが、いざ起業しようという方と話をしていると、この単純なことを理解してもらうのに、多大な苦労を要します。

抽象的なことを理解できないのか、あるいは価値を置いていないのか、なんとも言えませんが、そういう方は、特定の成功者の真似をしたがります。

抽象的なことを自分に置き換えることができないのに、他人の事例を自分に置き換えることができるはずがありません。他人の事例は、その人の特殊な状況下における特殊事例であり、いったん成功要因を抽出して自分の状況に置き換えなければならないはず。実際には、他人の成功をみてその気になり、形だけ真似ているだけです。

少なくとも、一定の成功を収める起業者は、戦略や仕組みの意味を理解し、自分なりに咀嚼して、取り組む意思を見せていました。

以前、仕組みの作り方がよくわからないと、2年連続で創業塾に参加し、私を質問攻めにした上で起業した人がいました。その方は、5年経ちますが、仕組みをきっちり作って、堅実な経営をしておられます。

あるいは、ひねくれ者で、私が教えたのとは全く違う戦略理論を使って、計画を作ってきた人がいました。が、それでも結構です。その人は、起業し、苦労しながらも、法人化し、頑張っておられるようです。

大切なのは、起業においては、強い思いと行動力だけではなく、成功確率を上げるための工夫が必要だということ。これを理解し、組み立てることです。


自分の欲求や感情を制御できる


起業する前の段階で、いかにも欲求や感情に囚われて自己管理ができない人は、苦労するだろうなあと思います。

上にも挙げましたが、態度はひねくれていても、こちらの話を聞く耳を持ち、いったん自分の中で咀嚼して、解答を出せるような人は、まだ見込みがあるとみています。

何をするにおいても、自己管理は、成功の要件です。

起業希望者が、根拠のないワクワク感で舞い上がって、聞く耳を持たず、リスクを無視した行動をとるのも、自分の感情を客観視せず、コントロールできていないからです。

成功者に対する無条件の賞賛も、逆に成功者への過剰な反発も、客観性を欠いた行為です。他人についつい余計な一言を言ってしまうのも、感情をコントロールできていないからです。

もちろん、起業してからも、目標管理、時間管理、モチベーション管理、人間関係にかかわる様々な管理が必要です。

ましてや、従業員を雇わなければならない事業であれば、自己管理できない人が、他人を管理できるはずがありません。経営者にとっても従業員にとっても悪夢になりますよ。

私は、起業者には、ランチェスター戦略や孫子の兵法を学ぶことを勧めています。それが、戦略を理解するために、役に立つを思うからです。

さらに付け加えるならば「論語」を読むべきです。

論語を読むと、自分を客観化し、コントロールするための心得が身に着くと思うからです。

例えば、「論語」には、「克伐怨欲(こくばつえんよく)を抑えることができればえらいものだ」という孔子の言葉が記されています。

克とは、他人を押しのけて勝ちたいという気持ち。

伐とは、功を誇りたい気持ち。

怨とは、人を恨んだり、妬んだりする気持ち。

欲とは、もっとほしいという気持ち。

こうした欲求や感情を抑えることが、人間として健全な人格を醸成するための道となります。

自分を律し、節度を守り、他人とよい関係を築くことが、どれだけ事業にいい影響をもたらすか、計り知れませんよ。


必ず論語を読め、というわけではありませんが、自分をコントロールする強さは、起業家にとって必須のものだと思います。


起業が目的ではないと理解できる


起業しようと考える人は、総じて実行力をお持ちです。実行力がなければ、起業しようなんて考えませんよね。

ただ、その実行力が長続きしない人がいます。

言うまでもなく、事業活動は一発勝負ではありません。立ち上げて、危機を乗り切って、組織のバランスをとって、さらに危機を乗り切って...の連続です。

永遠に続くマラソンのようなもので、息切れしないように、地道に着実に行動することが必要です。

しかも、一本道ではありませんから、危機を乗り切るためには、その都度、工夫や才覚を発揮しなければなりません。

とくに小さな事業者は、安定しない市場に立脚していることが多いので、すぐに動かないと手遅れになってしまうことがあります。

前回のメルマガでもいいましたが、小さな事業の消費期限は、3~5年です。市場選択をその都度、新しくしていかなければ、干上がってしまいます。


つまり、小さな事業は、いつでも危機的状況です。おかしいなと思ったら、すぐに起動修正に動く気力と体力が必須です。

端的にいうと、ひたすらしつこくコツコツと地道に、考えて行動し続ける人が、生き残っていきます。

起業当初は、皆、舞い上がっていますから、全員が行動力の塊のように思えますが、それでも、差があります。

例えば、私は、起業前の人に、見込み客へインタビューしてみましょう、とか、テスト的に販売してみましょう、とアドバイスすることがあります。

計画の現実性を確認するために必要だと思えるからですが、これをすぐに実行する人は稀です。多くの人が、テストなんかで動くことを厭います。

テストなんてしなくても成功できるという確信があるのでしょうかね。いや、私には、失敗の可能性に蓋をして、起業計画が滞るのを嫌がっているように思えます。

起業前のテスト行動の重要性を理解できて、すぐに実行できる人は、起業してからも、しつこく動き続けることができる人です。

それを厭う人は、もう一度、自分を見つめなおし、考え直した方がいいでしょう。

動機を見直してください。いまの仕事が嫌だから、逃げ出そうとしているだけではありませんか。起業が目的になっていませんか。起業したからといって、全部チャラになったように、運命が好転するなんて、都合のいい妄想に過ぎませんよ。

そういう人は、起業しても、もっと深刻な状況になるだけと思います。いまの仕事が楽しくなるように工夫し、努力した方が、現実的だし、建設的です。

当たり前のことですが、起業してからがスタートです。苦労して工夫してまた苦労して、何年後かに、起業してよかったかな...とようやく思えてくるようなものです。

それを腹の底から理解できている人が、起業しても生き残れる人だと考えます。


V,S,O,P,を充実させる


なんでもまとめたがるのは、コンサルタントの悪い癖ですが、今回の話をまとめると、

(1)起業してからのことを見てきたように描写できる。→ビジョンやミッションに関すること。

(2)「勝てる場所で戦う」「仕組みを作って回す」ということが理解できる。→戦略に関すること。

(3)自分の欲求や感情を制御できる。→管理に関すること。

(4)起業が目的ではないと理解できる。→実践に関すること。

ということになります。

ビジョン、ストラテジー、マネジメント、プラクティス。

V,S,M,P,です。

簡単にいうと、この4つを充実させることが、起業に限らずビジネスを成功に導く秘訣だと考えます。

皆さん。ともに、生き残っていきましょうね。


(2021年8月19日メルマガより)



今回も起業に関する話です。

多くの起業希望者と集中的に接していると、起業して成功しそうな人、厳しい人が何となくわかります。

最初の感覚と、その後の起業してからの活躍をみていると、合っていることが多いので、それなりに正しい感覚なのかと自分では思っています。

私なんぞが偉そうに言うことではありませんが、やはり、数を重ねると、そういう目利き力みたいなものが、備わってくるとお考えください。


起業を成功させる4つのポイント


感覚というと、言葉にするのが難しいですね。

ただ、そんな難しい話ではありません。きっと、誰でも、多くの人と接しているとわかるようになりますよ。

今回は、そんな私の感覚を、4つのポイントでご紹介したいと思います。

たった4つです。そんな少なくていいんかいと思われるかもしれませんが、いろいろ考えてみて、この4つに絞りました。

そのほかにもあるかもしれませんが、とりあえず、この4つは重要なポイントです。

少なくとも、私は、これが重要だとみていますので、これから起業したいとお考えの方は、一度、確認してみてください。


起業してからのことを見てきたように描写できる


まず、起業してある程度まで実現できる方は、やる前から、明白なイメージをお持ちです。

イメージが明確で、見てきたように描写できる人ほど、その後、実際に実現できる人が多いと思います。

飲食店を始めるなら、どの場所で、どのような雰囲気の内装で、何席ぐらいで、従業員は何人で...と、頭に思い浮かべ、語ることができます。

商社を始めるなら、顧客はどの会社で、どの仕入先からどのように仕入れて、どの順番で営業回りをするか...

小売りをするなら、どんな商品を、どのように陳列して、お客様の入りはどれぐらいで...など。

おそらく、今やっている仕事の延長上に起業される方は、イメージが明白になりやすいことでしょう。実際、今の仕事に関連した起業をされる方は、実現性が高くなります。

逆に、知らない業種にチャレンジする方は、要注意です。その仕事の裏側の見えない部分などがイメージできない場合があります。

いざ始めようとして、思ったよりも難しかったとか、あてが外れたとか、よく聞く話です。そうならないように、事前によく調べておかなければならないのですが、起業者は根拠のない自信でワクワク感に囚われている人が多いので、事前の調査を疎かにしがちです。

商品はどこで作るのか、仕入れルートは確保しているのか、店舗の場所は確保しているのか、家賃はいくらぐらいか、集客はどのようにするのか...など、細かい部分をしつこく聞いていくと、自分の夢を否定されたような気がするのか、逆切れしてしまう人もいます。そんな人は論外なのですが、実現性のない期待だけで舞い上がっている人は多いんですよ。

「やってみなければわからないことがいいっぱいある」というのは事実ですが、それをこれから起業しようとする人が言ってはダメです。

実現する人は、始める前から、相当程度の細部までイメージし、シミュレーションしています。


「勝てる場所で戦う」「仕組みを作って回す」ということが理解できる


やはり成功する人は、それなりに頭がいいと感じます。

無茶苦茶、頭が切れる、とまではいかなくても、戦略を理解し、それを自分で組み立てる能力は必要です。

勢いで起業して、運よく、顧客を掴んだ、という人がいるのは確かです。そういう成功者は、起業すれば何とかなる、とか、運をつかむ習慣が功を奏した、なんて実感を込めて語るので厄介です。

こうした自分の実績を客観視できない成功者の言うことを聞いてはいけません。真に受けて起業するのは、運ゲーに身を任せるようなものです。

冷静にみて、事業を成立させるためには、一定の顧客に支持されながら、競争相手につぶされないことが必須です。そのためには、自分の特長を理解したうえで、競争状況を確認し、充分に勝算のある市場で起業することが必要です。

いわゆる「勝てる市場で戦う」という工夫です。これが、戦略を作る意味です。

さらに事業を維持するためには、毎日毎日、行き当たりばったりにならず、習慣的な行動をするだけで、事業が回るようにしなければなりません。

これが「仕組みを作って回す」ということです。

つまり、起業して、それなりに事業を維持するためには、戦略を作り、仕組みを組み立て、実行することが必要だということです。

私のセミナーや研修のテーマの多くは、戦略と仕組みに関することです。またこのメルマガでもしばしばとりあげているのは、まさにそのことです。

決して複雑で難解なことを言っているわけではありません。つまるところ、「勝てる市場を選び」「仕組みを作って回す」と言っているだけです。

ところが、いざ起業しようという方と話をしていると、この単純なことを理解してもらうのに、多大な苦労を要します。

抽象的なことを理解できないのか、あるいは価値を置いていないのか、なんとも言えませんが、そういう方は、特定の成功者の真似をしたがります。

抽象的なことを自分に置き換えることができないのに、他人の事例を自分に置き換えることができるはずがありません。他人の事例は、その人の特殊な状況下における特殊事例であり、いったん成功要因を抽出して自分の状況に置き換えなければならないはず。実際には、他人の成功をみてその気になり、形だけ真似ているだけです。

少なくとも、一定の成功を収める起業者は、戦略や仕組みの意味を理解し、自分なりに咀嚼して、取り組む意思を見せていました。

以前、仕組みの作り方がよくわからないと、2年連続で創業塾に参加し、私を質問攻めにした上で起業した人がいました。その方は、5年経ちますが、仕組みをきっちり作って、堅実な経営をしておられます。

あるいは、ひねくれ者で、私が教えたのとは全く違う戦略理論を使って、計画を作ってきた人がいました。が、それでも結構です。その人は、起業し、苦労しながらも、法人化し、頑張っておられるようです。

大切なのは、起業においては、強い思いと行動力だけではなく、成功確率を上げるための工夫が必要だということ。これを理解し、組み立てることです。


自分の欲求や感情を制御できる


起業する前の段階で、いかにも欲求や感情に囚われて自己管理ができない人は、苦労するだろうなあと思います。

上にも挙げましたが、態度はひねくれていても、こちらの話を聞く耳を持ち、いったん自分の中で咀嚼して、解答を出せるような人は、まだ見込みがあるとみています。

何をするにおいても、自己管理は、成功の要件です。

起業希望者が、根拠のないワクワク感で舞い上がって、聞く耳を持たず、リスクを無視した行動をとるのも、自分の感情を客観視せず、コントロールできていないからです。

成功者に対する無条件の賞賛も、逆に成功者への過剰な反発も、客観性を欠いた行為です。他人についつい余計な一言を言ってしまうのも、感情をコントロールできていないからです。

もちろん、起業してからも、目標管理、時間管理、モチベーション管理、人間関係にかかわる様々な管理が必要です。

ましてや、従業員を雇わなければならない事業であれば、自己管理できない人が、他人を管理できるはずがありません。経営者にとっても従業員にとっても悪夢になりますよ。

私は、起業者には、ランチェスター戦略や孫子の兵法を学ぶことを勧めています。それが、戦略を理解するために、役に立つを思うからです。

さらに付け加えるならば「論語」を読むべきです。

論語を読むと、自分を客観化し、コントロールするための心得が身に着くと思うからです。

例えば、「論語」には、「克伐怨欲(こくばつえんよく)を抑えることができればえらいものだ」という孔子の言葉が記されています。

克とは、他人を押しのけて勝ちたいという気持ち。

伐とは、功を誇りたい気持ち。

怨とは、人を恨んだり、妬んだりする気持ち。

欲とは、もっとほしいという気持ち。

こうした欲求や感情を抑えることが、人間として健全な人格を醸成するための道となります。

自分を律し、節度を守り、他人とよい関係を築くことが、どれだけ事業にいい影響をもたらすか、計り知れませんよ。


必ず論語を読め、というわけではありませんが、自分をコントロールする強さは、起業家にとって必須のものだと思います。


起業が目的ではないと理解できる


起業しようと考える人は、総じて実行力をお持ちです。実行力がなければ、起業しようなんて考えませんよね。

ただ、その実行力が長続きしない人がいます。

言うまでもなく、事業活動は一発勝負ではありません。立ち上げて、危機を乗り切って、組織のバランスをとって、さらに危機を乗り切って...の連続です。

永遠に続くマラソンのようなもので、息切れしないように、地道に着実に行動することが必要です。

しかも、一本道ではありませんから、危機を乗り切るためには、その都度、工夫や才覚を発揮しなければなりません。

とくに小さな事業者は、安定しない市場に立脚していることが多いので、すぐに動かないと手遅れになってしまうことがあります。

前回のメルマガでもいいましたが、小さな事業の消費期限は、3~5年です。市場選択をその都度、新しくしていかなければ、干上がってしまいます。


つまり、小さな事業は、いつでも危機的状況です。おかしいなと思ったら、すぐに起動修正に動く気力と体力が必須です。

端的にいうと、ひたすらしつこくコツコツと地道に、考えて行動し続ける人が、生き残っていきます。

起業当初は、皆、舞い上がっていますから、全員が行動力の塊のように思えますが、それでも、差があります。

例えば、私は、起業前の人に、見込み客へインタビューしてみましょう、とか、テスト的に販売してみましょう、とアドバイスすることがあります。

計画の現実性を確認するために必要だと思えるからですが、これをすぐに実行する人は稀です。多くの人が、テストなんかで動くことを厭います。

テストなんてしなくても成功できるという確信があるのでしょうかね。いや、私には、失敗の可能性に蓋をして、起業計画が滞るのを嫌がっているように思えます。

起業前のテスト行動の重要性を理解できて、すぐに実行できる人は、起業してからも、しつこく動き続けることができる人です。

それを厭う人は、もう一度、自分を見つめなおし、考え直した方がいいでしょう。

動機を見直してください。いまの仕事が嫌だから、逃げ出そうとしているだけではありませんか。起業が目的になっていませんか。起業したからといって、全部チャラになったように、運命が好転するなんて、都合のいい妄想に過ぎませんよ。

そういう人は、起業しても、もっと深刻な状況になるだけと思います。いまの仕事が楽しくなるように工夫し、努力した方が、現実的だし、建設的です。

当たり前のことですが、起業してからがスタートです。苦労して工夫してまた苦労して、何年後かに、起業してよかったかな...とようやく思えてくるようなものです。

それを腹の底から理解できている人が、起業しても生き残れる人だと考えます。


V,S,O,P,を充実させる


なんでもまとめたがるのは、コンサルタントの悪い癖ですが、今回の話をまとめると、

(1)起業してからのことを見てきたように描写できる。→ビジョンやミッションに関すること。

(2)「勝てる場所で戦う」「仕組みを作って回す」ということが理解できる。→戦略に関すること。

(3)自分の欲求や感情を制御できる。→管理に関すること。

(4)起業が目的ではないと理解できる。→実践に関すること。

ということになります。

ビジョン、ストラテジー、マネジメント、プラクティス。

V,S,M,P,です。

簡単にいうと、この4つを充実させることが、起業に限らずビジネスを成功に導く秘訣だと考えます。

皆さん。ともに、生き残っていきましょうね。

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