トヨタ 社長交代 次世代車産業で主役になれるか

2023.02.02

トヨタ自動車の豊田章男社長(66歳)が退任することを発表しました。

2005年に創業家直系として社長に就任してから18年。

リーマンショック、米国でのリコール、東日本大震災、中国リスク、ロシアのウクライナ侵攻などの危機にも関わらず、何度も世界シェアナンバーワンの地位を得た実績は、賞賛するに余りあります。

元気のない日本経済を、トヨタが孤軍奮闘して支えている感さえあったものです。

危機は外部からだけではなく、トヨタ社内からも、創業家出身者ゆえの軋轢が多くあったと聞いています。

権力欲が薄いといわれる豊田氏のことですから「社長を長くやりすぎた」というのは本音に聞こえます。

後任は、エンジニアの佐藤恒治氏(52歳)です。

豊田章男氏は、会長職にとどまり、佐藤氏をバックアップするようです。

豊田章男社長を取材し続けた筆者が思う、退任の本当の理由


自動車産業は、単純なものづくり産業ではない


豊田章男社長は、退任の理由として「私は古い人間」「クルマ屋を超えられない。それが私の限界」と述べました。

その言葉には、自動車産業は、もう単純なものづくり産業ではない、これからはGAFAMやテスラなどと伍していかなければならないという危機感が読み取れます。

短期的には、EVシフトへの世界的な潮流があります。

欧米各国がいっせいにガソリン車の廃止を政策決定し、EVしか認めないという裏には、ガソリン車で強すぎるトヨタを潰してしまおうという思惑が見えます。

もっとも、この極端すぎるEV化の世界で、覇権を握るのは中国企業になりそうだから皮肉なものです。

中国BYD、首位テスラ脅かすか EV世界展開へ投資余力

このまま中国企業が突っ走れば、欧米各国も「トヨタの方がましかも...」と考え、極端なEV化政策の見直しをするかもしれません。

その方が、トヨタにとってはいい状況です。トヨタが、中国BYDに協力しようとしているのは、そういう側面も見越してのことかもしれませんね。

途方もない巨大産業に変革するかもしれない

しかし、長期的には、自動車は自動運転化、連結化、共有化が進み、単純なものづくり産業としては規模が縮小していくと考えられます。

なにしろ、日本の自動車産業の市場規模は約57兆円。この巨大産業が縮小していくことは、日本にとって死活問題といってもいいインパクトです。

ただ、車が都市デザインの一部となり、住宅と一体になり、あらゆる交通機関と結びつくと思うと、さらに大きな産業が生まれる可能性があります。

考えようによっては、途方もない巨大産業を作りだす好機にあると言えますよ。

トヨタには、何としても、次世代の自動車産業でも主役の座にとどまってもらって、日本経済を支えてもらいたいものです。

などというと、他の企業が怒ってくるかもしれませんね。ソニーもNTTもソフトバンクもパナソニックも次の産業を虎視眈々と狙っています。

ただ、やはり株式時価総額ダントツ1位のトヨタこそが、主役になるに相応しい。豊田-佐藤体制に、期待をかけたくなる次第です。

トヨタほどになれば、政治活動も必要


豊田章男社長は権力欲が薄いと言いましたが、経団連だとか業界団体だとか、いわゆる経済人としての活動に消極的であることにそれが表れています

会長になれば、そういう活動にも勤しむのでしょうかね。

トヨタ代表ほどの立場になれば、もっと政治家と交流し、ロビー活動にも積極的になるべきだと思うのですが、それが殆ど見られません。

特に欧州では、ハイブリッド車の延命も認めんと一蹴されてしまったのは痛かった。

生涯クルマ屋というのもいいですが、トヨタほどの企業になれば、政治力も必要であることを忘れてはいけませんね。

などと上から目線御免なさい。






トヨタ自動車の豊田章男社長(66歳)が退任することを発表しました。

2005年に創業家直系として社長に就任してから18年。

リーマンショック、米国でのリコール、東日本大震災、中国リスク、ロシアのウクライナ侵攻などの危機にも関わらず、何度も世界シェアナンバーワンの地位を得た実績は、賞賛するに余りあります。

元気のない日本経済を、トヨタが孤軍奮闘して支えている感さえあったものです。

危機は外部からだけではなく、トヨタ社内からも、創業家出身者ゆえの軋轢が多くあったと聞いています。

権力欲が薄いといわれる豊田氏のことですから「社長を長くやりすぎた」というのは本音に聞こえます。

後任は、エンジニアの佐藤恒治氏(52歳)です。

豊田章男氏は、会長職にとどまり、佐藤氏をバックアップするようです。

豊田章男社長を取材し続けた筆者が思う、退任の本当の理由


自動車産業は、単純なものづくり産業ではない


豊田章男社長は、退任の理由として「私は古い人間」「クルマ屋を超えられない。それが私の限界」と述べました。

その言葉には、自動車産業は、もう単純なものづくり産業ではない、これからはGAFAMやテスラなどと伍していかなければならないという危機感が読み取れます。

短期的には、EVシフトへの世界的な潮流があります。

欧米各国がいっせいにガソリン車の廃止を政策決定し、EVしか認めないという裏には、ガソリン車で強すぎるトヨタを潰してしまおうという思惑が見えます。

もっとも、この極端すぎるEV化の世界で、覇権を握るのは中国企業になりそうだから皮肉なものです。

中国BYD、首位テスラ脅かすか EV世界展開へ投資余力

このまま中国企業が突っ走れば、欧米各国も「トヨタの方がましかも...」と考え、極端なEV化政策の見直しをするかもしれません。

その方が、トヨタにとってはいい状況です。トヨタが、中国BYDに協力しようとしているのは、そういう側面も見越してのことかもしれませんね。

途方もない巨大産業に変革するかもしれない

しかし、長期的には、自動車は自動運転化、連結化、共有化が進み、単純なものづくり産業としては規模が縮小していくと考えられます。

なにしろ、日本の自動車産業の市場規模は約57兆円。この巨大産業が縮小していくことは、日本にとって死活問題といってもいいインパクトです。

ただ、車が都市デザインの一部となり、住宅と一体になり、あらゆる交通機関と結びつくと思うと、さらに大きな産業が生まれる可能性があります。

考えようによっては、途方もない巨大産業を作りだす好機にあると言えますよ。

トヨタには、何としても、次世代の自動車産業でも主役の座にとどまってもらって、日本経済を支えてもらいたいものです。

などというと、他の企業が怒ってくるかもしれませんね。ソニーもNTTもソフトバンクもパナソニックも次の産業を虎視眈々と狙っています。

ただ、やはり株式時価総額ダントツ1位のトヨタこそが、主役になるに相応しい。豊田-佐藤体制に、期待をかけたくなる次第です。

トヨタほどになれば、政治活動も必要


豊田章男社長は権力欲が薄いと言いましたが、経団連だとか業界団体だとか、いわゆる経済人としての活動に消極的であることにそれが表れています

会長になれば、そういう活動にも勤しむのでしょうかね。

トヨタ代表ほどの立場になれば、もっと政治家と交流し、ロビー活動にも積極的になるべきだと思うのですが、それが殆ど見られません。

特に欧州では、ハイブリッド車の延命も認めんと一蹴されてしまったのは痛かった。

生涯クルマ屋というのもいいですが、トヨタほどの企業になれば、政治力も必要であることを忘れてはいけませんね。

などと上から目線御免なさい。






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