ChatGPTを使い倒そう

2023.05.09

ChatGPTの衝撃


今年前半のトピックとして、ChatGPTを外すことはできません。米オープンAI社が開発したこのサービスは、今年1月のダボス会議の話題を独占したと言われています。

ちなみにChatGPTとは、GPTという言語モデルを使った人工知能チャットボットのこと。生成AIといわれるものの一つです。

AI(人工知能)の進化は凄まじいものがあるのですが、これまで我々が目にするものは、画像や音声などを認識する認識AIと呼ばれるものが主でした。

それに対して、文章や画像、音楽などのコンテンツを作り出す能力を持つのが生成AIです。

例えば、「AIの将来展望についての800字程度の文章を作れ」と指示すれば、AIがその通りの文章を作成します。

特にChatGPTは、会話形式で応答するスタイルですから、ラインでチャットするような感覚で、対話しながら文章を作成してくれます。

この機能により、AIは各段に身近なものになりました。

専門家の中には「特段、優れた技術を使っているわけではない」という人もいますが、AIを一般ユーザーに広めた功績は大きい。

今や、生成AIといえば、ChatGPTが代名詞のような存在になってしまいました。


現在、ChatGPTは、GPT4という最新版のモデルを利用していますが、既にアメリカの司法試験を合格するレベルにあると発表されています。

AIにより、世界で3億人の人々が関わる仕事が自動化されると見られており、生成AIの市場規模は、2027年には16兆円に達すると予測されています。

オープンAI社には、マイクロソフトが出資しているので、この分野ではマイクロソフトが頭一つ抜け出した形となりました。

グーグルやアップル、アマゾンなどは、いま大慌てで、生成AIの開発を進めている状況です。


間違いを堂々と返答する


ただし生成AIといえども万能ではありません。膨大な知識をインプットしているにも関わらず、結構間違いが多い。

例えば「夏目漱石のおすすめ小説を教えてください」と聞くと「『こころ』という与謝野晶子との恋愛を扱った自伝的小説がお勧めです」などと返答がきたりします。

間違った情報を堂々と返答するのが特徴だと思いたくなるほどですな。

ただ、これを以てChatGPTは使えない、と判断するのは早計です。

「明日の朝礼で話す内容を考えてください」

「子供に読み聞かせる昔話を作ってください」

「新製品のプロモーション案を考えてください」

などと指示すると、それなりの文章が返ってきます。

あるいは、箇条書きの文章をいくつか示した上で、「この内容を1000字程度の文章に仕上げてください」と指示すると、きちんと仕上げてくれます。

どのような指示をするのかで、回答が変わります。当然、的を射たをすると、満足のいく回答が返ってきます。

要するに、生成AIを使いこなすコツは、いかに正確で的を得た指示をするかにかかっているということです。


AIのマイナス面


いま世界各国は、AIとの付き合い方を探っている状態です。

欧米各国は、わりと懐疑的です。

一つは、個人情報を抜かれる懸念があること。欧州は、この問題に敏感ですから、はっきりと禁止する国もあるようです。

あるいは、自国で開発する余地も残しておきたいという思惑もあるでしょうね。

卑近な話でいうと、AIが多くの人間の職を奪ってしまう可能性が取沙汰されています。

先ほど、AIは、世界で3億人の人々が関わる仕事が自動化されると述べましたが、端的にいうと、これら3億人が失業する可能性があるということです。

特に事務職や法律関連の仕事は、AIに置きかえられやすいといえます。

もっと壮大な話をすると、能力を途方もなく高めたAIが、人間を管理するようになるかもしれません。AIの決めたルールにしたがって生きる人類なんて、ディストピアSFそのものですが、高名な学者の中には、真剣に警鐘を鳴らす人がいるので、妄想だと一蹴するには重い話題です。

3月にはアメリカでAI開発を半年中断するように求める提言があり、2万5千人の署名が集まったといいます。


周回遅れの日本


そんな中、オープンAI社のCEOが来日し、岸田首相と面会していきました。

オープンAI社とすれば、欧米各国がつれないので、先進国の一つである日本に渡りをつけておきたいところだったのでしょう。

なにしろ、日本は、生成AIに関しては、周回遅れもいいところで、ChatGPTに対抗する技術を開発しようという機運さえありません。

オープンAI社が、取り込むにはい相手だといえるでしょう。

ただ、日本側からすれば、周回遅れだからこそ、ここらでオープンAI社を受け入れて、周辺技術に開発能力を集中し、一気にAI大国になろうというやり方は、ないわけではない。

オープンAI社は「日本人のChatGPTの使い方は独特だから、自分たちも驚いている」と述べています。

まあ、半分はリップサービスでしょうが、Twitterなどに毎日のように投稿される「ChatGPTへの有効な質問例」を見ていると、さもありなん、日本人の現場能力の高さを垣間見る気がします。


子供から機会を奪うべきではない


一部、「自分の頭で考える能力が低下するので、AIは使うべきではない。少なくとも、子供には使わせない」という声があります。

主義主張は自由ですからいいですが、少なくとも私はそういう態度はとりません。もう既にAIは世の中に存在するのですから、なかったことにして過ごすのは「スマホを使うな」「家電製品を使うな」「自動車を使うな」などと言っているのと同じに聞こえます。

AIのリスクを軽視するわけではありませんが、だからといって忌避するだけでは、責任逃れにしかなりません。

それならば、AIとどのように付き合うのか、どのように使えば自分の生活をよりよくできるのか、あるいは何が危ういのかを考え、正しく理解する方がまっとうです。

特に私のようなリタイア間近の人間ではなく、柔軟な頭の子供こそAIを使うと、仕事や生活をアップデートする方法を見出すはずです。

その機会を旧弊な人間の思い込みで阻害すべきではないと考えます。

少なくとも、私は、若い世代の邪魔にならず、少しでもついていけるように、ChatGPTを使い倒してみようと考えています。

若い者には負けないぞーなんて言う気はさらさらありませんが、自分なりに楽しみながら、この技術を享受したいと思っています。





ChatGPTの衝撃


今年前半のトピックとして、ChatGPTを外すことはできません。米オープンAI社が開発したこのサービスは、今年1月のダボス会議の話題を独占したと言われています。

ちなみにChatGPTとは、GPTという言語モデルを使った人工知能チャットボットのこと。生成AIといわれるものの一つです。

AI(人工知能)の進化は凄まじいものがあるのですが、これまで我々が目にするものは、画像や音声などを認識する認識AIと呼ばれるものが主でした。

それに対して、文章や画像、音楽などのコンテンツを作り出す能力を持つのが生成AIです。

例えば、「AIの将来展望についての800字程度の文章を作れ」と指示すれば、AIがその通りの文章を作成します。

特にChatGPTは、会話形式で応答するスタイルですから、ラインでチャットするような感覚で、対話しながら文章を作成してくれます。

この機能により、AIは各段に身近なものになりました。

専門家の中には「特段、優れた技術を使っているわけではない」という人もいますが、AIを一般ユーザーに広めた功績は大きい。

今や、生成AIといえば、ChatGPTが代名詞のような存在になってしまいました。


現在、ChatGPTは、GPT4という最新版のモデルを利用していますが、既にアメリカの司法試験を合格するレベルにあると発表されています。

AIにより、世界で3億人の人々が関わる仕事が自動化されると見られており、生成AIの市場規模は、2027年には16兆円に達すると予測されています。

オープンAI社には、マイクロソフトが出資しているので、この分野ではマイクロソフトが頭一つ抜け出した形となりました。

グーグルやアップル、アマゾンなどは、いま大慌てで、生成AIの開発を進めている状況です。


間違いを堂々と返答する


ただし生成AIといえども万能ではありません。膨大な知識をインプットしているにも関わらず、結構間違いが多い。

例えば「夏目漱石のおすすめ小説を教えてください」と聞くと「『こころ』という与謝野晶子との恋愛を扱った自伝的小説がお勧めです」などと返答がきたりします。

間違った情報を堂々と返答するのが特徴だと思いたくなるほどですな。

ただ、これを以てChatGPTは使えない、と判断するのは早計です。

「明日の朝礼で話す内容を考えてください」

「子供に読み聞かせる昔話を作ってください」

「新製品のプロモーション案を考えてください」

などと指示すると、それなりの文章が返ってきます。

あるいは、箇条書きの文章をいくつか示した上で、「この内容を1000字程度の文章に仕上げてください」と指示すると、きちんと仕上げてくれます。

どのような指示をするのかで、回答が変わります。当然、的を射たをすると、満足のいく回答が返ってきます。

要するに、生成AIを使いこなすコツは、いかに正確で的を得た指示をするかにかかっているということです。


AIのマイナス面


いま世界各国は、AIとの付き合い方を探っている状態です。

欧米各国は、わりと懐疑的です。

一つは、個人情報を抜かれる懸念があること。欧州は、この問題に敏感ですから、はっきりと禁止する国もあるようです。

あるいは、自国で開発する余地も残しておきたいという思惑もあるでしょうね。

卑近な話でいうと、AIが多くの人間の職を奪ってしまう可能性が取沙汰されています。

先ほど、AIは、世界で3億人の人々が関わる仕事が自動化されると述べましたが、端的にいうと、これら3億人が失業する可能性があるということです。

特に事務職や法律関連の仕事は、AIに置きかえられやすいといえます。

もっと壮大な話をすると、能力を途方もなく高めたAIが、人間を管理するようになるかもしれません。AIの決めたルールにしたがって生きる人類なんて、ディストピアSFそのものですが、高名な学者の中には、真剣に警鐘を鳴らす人がいるので、妄想だと一蹴するには重い話題です。

3月にはアメリカでAI開発を半年中断するように求める提言があり、2万5千人の署名が集まったといいます。


周回遅れの日本


そんな中、オープンAI社のCEOが来日し、岸田首相と面会していきました。

オープンAI社とすれば、欧米各国がつれないので、先進国の一つである日本に渡りをつけておきたいところだったのでしょう。

なにしろ、日本は、生成AIに関しては、周回遅れもいいところで、ChatGPTに対抗する技術を開発しようという機運さえありません。

オープンAI社が、取り込むにはい相手だといえるでしょう。

ただ、日本側からすれば、周回遅れだからこそ、ここらでオープンAI社を受け入れて、周辺技術に開発能力を集中し、一気にAI大国になろうというやり方は、ないわけではない。

オープンAI社は「日本人のChatGPTの使い方は独特だから、自分たちも驚いている」と述べています。

まあ、半分はリップサービスでしょうが、Twitterなどに毎日のように投稿される「ChatGPTへの有効な質問例」を見ていると、さもありなん、日本人の現場能力の高さを垣間見る気がします。


子供から機会を奪うべきではない


一部、「自分の頭で考える能力が低下するので、AIは使うべきではない。少なくとも、子供には使わせない」という声があります。

主義主張は自由ですからいいですが、少なくとも私はそういう態度はとりません。もう既にAIは世の中に存在するのですから、なかったことにして過ごすのは「スマホを使うな」「家電製品を使うな」「自動車を使うな」などと言っているのと同じに聞こえます。

AIのリスクを軽視するわけではありませんが、だからといって忌避するだけでは、責任逃れにしかなりません。

それならば、AIとどのように付き合うのか、どのように使えば自分の生活をよりよくできるのか、あるいは何が危ういのかを考え、正しく理解する方がまっとうです。

特に私のようなリタイア間近の人間ではなく、柔軟な頭の子供こそAIを使うと、仕事や生活をアップデートする方法を見出すはずです。

その機会を旧弊な人間の思い込みで阻害すべきではないと考えます。

少なくとも、私は、若い世代の邪魔にならず、少しでもついていけるように、ChatGPTを使い倒してみようと考えています。

若い者には負けないぞーなんて言う気はさらさらありませんが、自分なりに楽しみながら、この技術を享受したいと思っています。





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